物流の第4次産業革命ともいえる「Logistics 4.0」の動向解説に加え、製造業などで生み出される新たな事業機会について紹介する本連載。第8回は、RaaSやTaaSの以上のポテンシャルを持ち、サプライウェブ時代の新たなプラットフォーマーとなり得る、ソフトウェアメーカーのビジネスチャンスについて取り上げる。
⇒連載『サプライチェーンの新潮流「Logistics 4.0」と新たな事業機会』バックナンバー
前回、前々回と、サプライウェブの時代におけるプラットフォームビジネスの在り方として、RaaS(Robot as a Service)やTaaS(Truck as a Service)による事業展開の方向性を解説しました。今回は、ロボットやトラックといったハードではなく、ソフトウェアを基盤としたプラットフォームビジネスの可能性を紹介したいと思います。
サプライチェーンからサプライウェブへのトランスフォーメーションは、ソフトウェアメーカーに対して2つのビジネスチャンスをもたらします。
1つは、単純に、ソフトウェアを必要とする機会が増えるということです。今まで人手で対応していたプロセスを自動化、機械化するためには、相応の管理システムが必要となります。WMS(Warehouse Management System)やTMS(Transport Management System)といった現場でのオペレーションを管理するシステムの市場は着実に成長するはずです。WES(Warehouse Execution System)やWCS(Warehouse Control System)のように、種々の機器を制御するためのより高度なシステムの活用も広がるでしょう。
ソフトウェアを必要とする機会が増えるのは、現場でのオペレーション管理だけではありません。連載第2回で紹介したInfor Nexusのように、複数の工程・拠点を統合管理するシステムの導入も広がることが予想されます。現状は、特定の企業を中心としたサプライチェーンマネジメントをサポートするデジタルツールにすぎないわけですが、サプライウェブの時代となれば、その対象は「多対多」となります。つまり、一部特定の先進企業だけではなく、広く多くの企業が利用するようになるわけです。その潜在的な市場は間違いなく大きいはずです。
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