積木製作はものづくりワールド 2020で、VR安全教育ソリューション「安全体感VRトレーニング」を展示した。体験者に「痛み」を与えるVRコンテンツが含まれる。
積木製作は「日本ものづくりワールド 2020」(2020年2月26〜28日、幕張メッセ)内の「第28回 3D&バーチャル リアリティ展」で、VR(仮想現実)を活用した安全教育ソリューション「安全体感VRトレーニング」を展示した。VRコンテンツの体験を通じて、製造、建設、鉄道業界などで働く現場作業員が直面しやすい事故と、その正しい回避方法を学習できる。
積木製作はこれまでに、仮設足場からの墜落事故などのシチュエーションを扱った4つのVRコンテンツの他、屋内の建設作業中に生じる事故をテーマとした「建設現場シリーズ」や、感電事故や巻き込み事故の危険性を学べる「安全体感装置シリーズ」などのVRコンテンツを発表している。建設現場シリーズは清水建設と戸田建設、三機工業が、触覚再現シリーズは昭和電業とアジアクリエイトがコンテンツ監修や装置の開発協力を行っている。
中でも特徴的なのは安全体感装置シリーズだ。HMD(ヘッドマウントディスプレイ)によるVR体験だけでなく、専用装置を使って体験者に「事故の痛み」を伝える仕組みが取り入れられている。例えば同シリーズの「盤内配線作業中の感電」では、低圧絶縁手袋を未着用の状態で分電盤内の配線に触れてしまった場合、現実の感電装置がVRコンテンツと連動して電流を流し、刺激を通じて体験者にそれが危険な行為であることを教える。積木製作の説明員は安全体感装置シリーズについて「VRを使わない従来の現場教育においても、感電装置を用いた安全教育自体は行われていた。ただ当社はそれをVR技術と組み合わせることでトレーニングのリアリティーを高めている。ここが新しい点だ」と説明する。
また積木製作は、企業が自社内で運用しているマニュアルと作業現場の図面を基にして、オリジナルのVRコンテンツを制作するサービスも展開中だ。同説明員はこのサービスについて「もともと当社は建築用のCGパース制作を手掛けていたこともあり、2Dの図面からVRで使用する3Dモデルを直接描き起こせることが強みだ。2Dの図面から情報をくみ取り、建築物の内外をリアルに表現する。この点は他社がなかなかまねできない部分だ」と自信を見せる。
なお、安全体感VRトレーニングに用いるHMDは、PC接続型とスタンドアロン型の両方に対応している。
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