XYZプリンティングジャパンは「日本ものづくりワールド 2020」内の「第2回 次世代3Dプリンタ展(AM Japan)」に出展し、産業用3Dプリンタの新製品「PartPro120 xP」の国内先行予約を2020年2月26日から開始したことを発表した。
XYZプリンティングジャパンは「日本ものづくりワールド 2020」(会期:同年2月26〜28日/場所:幕張メッセ)内の「第2回 次世代3Dプリンタ展(AM Japan)」に出展し、産業用3Dプリンタの新製品「PartPro120 xP」の国内先行予約を同年2月26日から開始したことを発表した。販売価格(税別)は138万円で、出荷開始は同年6月下旬ごろを予定する。
同製品は、同社独自開発の造形技術「UFF(Ultra Fast Film)」を採用する、DLP(Digital Light Processing)方式の3Dプリンタ。高速かつ高品質な造形を可能とした産業用途向けの製品として位置付けられており、1分間に5mmものハイスピードで高解像度のパーツを造形できるという。
「超高速の3Dプリンタについては、CarbonやNexa3Dといった競合他社からも製品が販売されているが、『造形スピードは速いが、満足できる精度が出せない』『装置が高価過ぎる』といった声も聞かれる。こうしたニーズに対して、われわれが提供するのがPartPro120 xPだ。スピード、精度、価格の面で納得いただける。2020年に投入する目玉製品の1つだ」(XYZプリンティングジャパンの説明員)
実は、数年前から同社はNexa3Dと共同で超高速光造形技術「Continuous LSPc」を搭載した3Dプリンタの開発を進めてきたが、造形品質の面でどうしてもXYZプリンティングの評価基準をクリアできなかったため、別途独自で研究開発を進めていたUFF技術を用いた製品開発に踏み切ったのだという。
UFF技術では、レジンタンクの底部に独自開発の超高速フィルム(Ultra Fast Film)を採用する。このフィルムは、造形パーツの積層面から引き離す距離が極めて短く(0.1mm程度)ても、高精細にパーツの積層面や形状を維持できる特長を備える。また、パーツを引き離す際もわずかな力で剥離できるため、プラットフォームを高速に動かすことができる。これらの特長により、従来の3Dプリンタと比較して40倍もの超高速造形と高精細な造形の実現を両立する。
PartPro120 xPの最大造形サイズは114×64×100mmで、既存のDLP方式3Dプリンタ「PartPro100 xP」の約2.4倍を確保。XY解像度は最大60μm、積層ピッチは25〜100μmである。レジンタンクは円形で、標準レジンから耐熱樹脂まで、全6種類(Standard/Fast Printing/Tough/High-Temp/Flexible/ABS-like)のUV硬化樹脂材料が使用可能だ。
本体サイズは470×398×745mmで、重さは34kg。本体前面にタッチパネルディスプレイを搭載し、USB、無線LAN、イーサネット接続に対応する。デザイン確認や設計/機構の評価、治具/型の製造などに最適だとし、設計者のすぐそばで使用できる使い勝手とサイズ感を実現しているとのことだ。
「通常の光造形方式の3Dプリンタではどうしてもレジンの劣化などの問題もあり、高強度な素材を実現することが困難で、活用範囲も試作用途が中心だった。これに対し、UFF方式を採用するPartPro120 xPは、1分間に5mmという超高速かつ高品質な造形を実現し、試作用途にとどまらない幅広い素材を展開できる。まずは、StandardとFast Printingレジンから提供を始め、順次素材のラインアップを拡充していく計画だ。また、より大きな造形へのニーズもあると見ている。将来的には、高さ方向を伸ばし、より大型造形が可能なモデルを投入する可能性もある」(XYZプリンティングジャパンの説明員)
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