いずれのクラスでも競技の基本ルールは共通しており、左右反転した2コース(L/R)を制限時間の2分以内に走行する。コースの前半は床に描かれたライン上を決められたチェックポイントを通過しながら走る「ライントレースエリア」で、後半はクラスごとに異なる課題が配置された「難所攻略エリア」となっている。ライントレースエリアではエリアを走り切るまでのクリア時間が「走行タイム」に、難所攻略エリアでは課題を通じて得た得点が「ボーナスタイム」になる。そして、走行タイムからボーナスタイムを引いた値がリザルトタイムとなり、タイム順に順位付けが行われる。走行体は各クラスとも三輪型の「HackEV」を共通して用いる。
新設されたエントリークラスの難所攻略エリアの課題は「ブロック運び」だ。難所攻略エリア内にある「ボーナスエリア」にブロックを運び、運んだ地点に書かれた数字に応じてボーナスタイムを獲得できる。ブロックを運ぶ距離が短い、または、行き過ぎた場合はボーナスタイムがもらえなくなる。
この課題のポイントは、ライントレースエリアと異なり、ボーナスエリアの床にラインが引かれていないという点だ。参加者はラインに頼ることなく、ブロックを狙った方向に狙った距離だけ進める必要がある。そのため課題を通じて、走行体の制御技術を身に付けることができる。
また、ETロボコン実行委員会 理事の渡辺博之氏は「世の中ではAI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)などの新規技術への注目度が増している。その中でETロボコンも『これまで通りモデルを書くだけでいいのか』と自ら問い直し、アドバンストクラスではAIによる画像認識を応用して攻略する形式にするなど、いわゆる要素技術の取り込みを進めてきた。激動の時代だが、それにあわせてETロボコンも変化を続け、多くの方に参加してもらえる大会づくりを考えていきたい」と熱意を語った。
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