菱洋エレクトロとリョーサンがセミナー「“ロボットが自分で学ぶ未来を体験” 〜実機と仮想環境が融合する次世代のロボット技術〜」を開催。本稿では、同セミナーに登壇した中国のヒューマノイド企業AgiBotで東アジア事業本部長を務める張赫氏の講演をレポートする。
半導体商社の菱洋エレクトロとリョーサンは2026年2月13日、東京都内でセミナー「“ロボットが自分で学ぶ未来を体験” 〜実機と仮想環境が融合する次世代のロボット技術〜」を開催した。2026年4月の合併により社名がリョーサン菱洋に変更される両社だが、菱洋エレクトロを中心に2024年から生成AI(人工知能)向け事業として「RYOYO AI Techmate Program」を展開しており企業のAI活用支援に取り組んでいる。特に人材育成ニーズが高いという。
同セミナーではリョーサン菱洋やNVIDIAによるフィジカルAIに関する取り組み、技術商社の理経によるNVIDIAの「Isaac Sim/Isaac Lab」を使ったSim2Realの紹介、東大松尾研発スタートアップのProx IndustriesによるVLA(視覚、言語、行動)モデル「pi0.5」の実装、そして日本にも本格進出を始めた中国のヒューマノイド企業AgiBotによるエンボディドAI向けデータ収集/開発プラットフォーム「Genie Studio」の紹介などが行われた。会場は定員となる約150人の参加者で埋まり、注目度の高さがうかがえた。
本稿ではAgiBot(エージーアイボット、智元机器人) 東アジア事業本部長の張赫(Zhang He)氏による講演をレポートする。
AgiBotの張氏は、同社について「ヒューマノイド企業の中でもハードウェアとソフトウェアの両方を自社で開発できる数少ない企業だ」と語る。他の多くの企業はソフトウェアあるいはハードウェアのどちらかに特化しているが、同社は両方の技術力を持ち、垂直立ち上げができる点が大きな強みだという。そして「今後3年以内にヒューマノイドが人間と同じようなイメージで働けるようになると考えている」と述べた。
AgiBotの創業は2023年。本社は上海にある。設立からわずか1年半でロボットの量産体制を確立し、複数の製品を展開している。2025年12月には同社のヒューマノイド累計出荷台数は5100台に到達した(セミヒューマノイドを含む)。これはヒューマノイドロボット市場のおよそ4割に相当する。同年末に日本で行われた「2025国際ロボット展」にも出展し、ヒューマノイドロボットの「A2」「X2」「G2」などを紹介していた。
同社は、ヒューマノイドのように物理的な身体をAIに持たせる「エンボディドAI」について、AI進化における「次のGPTの瞬間」であり、産業構造を再編する原動力になると位置付けている。その実現に向けて展開しているのが、ハードウェア、ソフトウェア、データエコシステムを垂直統合したプラットフォーム「Genie Studio」だ。2024年9月には4,000m2を超えるデータ収集工場を上海に開設し、100台以上のロボットを使って、家庭、商業、産業などのシーンにおける200以上のタスクにおいて、延べ数百万回のフィジカル学習データを収集している。
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