ETロボコン実行委員会は「ETロボコン2020」の開催発表会を行った。組み込み開発の未経験者向けの「エントリークラス」を新設し、参加層の拡大を図る。
ETロボコン実行委員会は2020年2月14日、「ETロボコン2020(正式名称:ETソフトウェアデザインロボットコンテスト 2020)」の開催発表会を行った。
ETロボコンは、初心者からベテランまで幅広い層の組み込みエンジニアに対して、技術教育の場を提供することを目的としたロボットコンテスト(以下、ロボコン)である。一般的なロボコンと異なり「ソフトウェア重視の教育コンテスト」である点が特徴だ。共通の走行体(ハードウェア)によるコース走行のタイム成績に加え、高品質な組み込み開発に欠かせないモデリングも評価対象となる。2019年には組み込みエンジニアへの教育効果が評価され、社会の情報化促進に貢献した団体に与えられる「2019年経済産業大臣賞」を受賞した。
ETロボコン2020は、2002年の第1回大会から数えて19年目を迎える。開催スケジュールは以下の通り。2020年3月に全国各地で実施説明会を行い、参加申し込みを同年3月4日〜4月23日の17時まで受け付ける。その後、5〜6月にかけてETロボコンの初心者向けに、制御要素技術やモデリングなどを教える技術教育、7〜8月には本番と同じコースで走行する試走会、9月上旬に全国12箇所で地区大会を順次開催する。地区大会で優秀な成績を収めたチームは、各地区代表として「組込み総合技術展 Embedded Technology 2020」(パシフィコ横浜、2020年11月18〜20日)で開催されるチャンピオンシップ大会に出場できる。
前回のETロボコン2019では、競技のクラス構成としてモデリング初心者向けの「プライマリークラス」と応用学習者向けの「アドバンストクラス」が用意されていた。ETロボコン2020からはこれらのクラスに加えて、組み込み開発の未経験者向けの「エントリークラス」が新設される。
エントリークラスを新設した背景について、ETロボコン実行委員会 本部運営委員長の桜井隆氏は「組み込みソフトウェア開発をこれから学ぼうとする人たちに対して、具体的な題材で体験してもらえる場を提供するためだ」と説明する。
さらに参加者に対して「情報工学系の学生であれば、単なるプログラミングのリテラシー教育ではなく、そこから一歩踏み込んだ挑戦の場として活用してほしい。また企業からの参加であれば、組み込み業界はもちろんのこと、他業界からも積極的に参加してもらいたい」(桜井氏)と期待を寄せる。なお、同氏によるとエントリークラスは地区大会でのみ実施し、チャンピオンシップ大会は開催しない方針だという。
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