次は、シミュレーションだ。ここまでのプロセスで出来上がった新しい芝刈り機のバーチャルプロダクトがどのような振る舞いをするのか。最終的な製品の品質を事前に評価、改善するため、シミュレーションを実行する必要がある。
今回のストーリーの中では、衝突試験の様子が示された。ストラクチャルエンジニアはシミュレーションのためのロールから非線形動的解析のアプリケーションを選択し、各種条件を直感的に設定した上で衝突時の影響を可視化できる。複雑なシミュレーションであってもクラウド側で演算処理されるため、手元のPC環境が非力でも問題がない。また、デザインプロセスの一環として、シミュレーション機能を活用することで、複数の設計案のうち最適なもの、最も安全性の高いものがどれかを早期に検証できるという。
さらにストーリーの中では、コンソールカバーの製造性を高めるために、モールドデザイナーが射出成形時の樹脂の流れをシミュレーションする様子を見ることができた。その他、シミュレーション結果を設計にフィードバックする様子などが示された他、射出成形機で製造する際の検証、Gコードの生成などを行う様子も紹介した。
そして、いよいよ製造となるが、マニュファクチャリングエンジニアは製造に関して、製造工程ソリューション「DELMIAWORKS」を用い、原材料、加工、検査、出荷に至るまでの全てのステップを網羅することで、製品品質の維持、向上を図る。また、一部の加工を外注する場合も「3DEXPERIENCE Make」を介して、複数の加工業者からの見積をまとめて受け取ることができる。これもプラットフォームならではの強みの1つだという。
製造が開始されたあたりで、マーケティング担当者は商品パンフレットの作成に取り掛かる。まだ完成品が手元にない状態ではあるが、3DEXPERIENCEプラットフォーム上には、レンダリングされた新しい芝刈り機の3Dモデルも共有されているため、製品の完成を待たずにパンフレットの制作を始められる。
その後、最終的に新しい芝刈り機に関する全ての部品がそろい、アセンブリが完了したら、プロジェクトマネジャーが3DSwymにその旨を投稿。この規模のプロジェクトであれば、3DEXPERIENCEプラットフォームあるいは3DEXPERIENCE WORKSで提供されるロールを活用することで、最初のアイデアが生まれてから実際に動作するプロトタイプが完成するまで、数週間程度で完了できるという。
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