大日本印刷は、京都大学らと産学協同で開発した歩行学習支援ロボット「Orthobot」を製品化した。歩行リハビリに使用する長下肢装具にOrthobotの本体ユニットを取り付けるだけで装具がリハビリ用ロボットに変化し、正しい歩行動作を誘導する。
大日本印刷は2019年12月11日、京都大学らと産学協同で開発した歩行学習支援ロボット「Orthobot」を製品化したと発表した。歩行に障害を抱える人の歩行リハビリテーションを補助する装着型アシストロボットで、同年度内に発売する。
Orthobotは、充電池と操作パネルを搭載した腰ベルトユニットと本体ユニットで構成される。歩行リハビリに使用するKAFO(長下肢装具)に本体ユニットを取り付けるだけで、KAFOがリハビリ用ロボットに変化する。
本体ユニットには、センサーやモーターが内蔵されている。センサーが計測した大腿部の姿勢角から位相角生成器が歩行状態を推定し、モーターが適切なタイミングでアシストトルクを加え膝を動かす。これにより、正しい歩行の動きを誘導する。
Orthobot本体ユニットは約1.2kg、腰ベルトユニットは約1.8kg。腰ベルトユニットは介助者が持つこともできる。アシスト設定は専門家を必要とせず、「標準」「引っ掛り防止」「歩幅アップ」の3つのプリセットモードから、目的のモードを選ぶだけで設定できる。より高度な設定が可能なカスタムモードも用意されている。
Orthobotの開発に関わった大学や企業は以下の通り。脳卒中リハビリテーションやリハビリロボットに関する京都大学の医学的知見を踏まえた着想を基に、京都工芸繊維大学が制御アルゴリズムを構築。機器の開発はサンコールと大日本印刷が中心となり、京都大学と佛教大学、関西医科大学が評価を実施した。なお、販売はフィンガルリンクが担う。
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