防じん、防滴仕様の人協働ロボットを発売、可搬質量20kgで最大リーチ1700mm:FAニュース
安川電機は、人協働ロボットの新製品「MOTOMAN-HC20DT防じん・防滴仕様」を発売した。ちりやほこり、液体の混入などが想定される過酷な環境へ対応しながら、可搬質量を20kgに向上させた。
安川電機は2019年11月25日、人協働ロボットの新製品「MOTOMAN-HC20DT防じん・防滴仕様」を発売した。最大リーチは1700mmで、価格はオープンだ。
MOTOMAN-HC20DTは、ちりやほこり、液体の混入などが想定される過酷な環境へ対応しながら、可搬質量を20kgに向上。重さ10kgを超えるような大型ワークを取り扱う工程や小型ワークの複数同時搬送などに対応する。
防じん、防滴保護等級は、全軸でIEC規格のIP67。表面塗装はアクリルウレタン塗装、先端フランジの材質はステンレスを採用し、衛生面への配慮から水洗が必要な用途でも使用できる。
ロボット先端部に配置したコネクターによりツールを直接取り付けられるため、セットアップ時間を短縮。ロボット内蔵ケーブルは、ロボット先端へのカメラ搭載などに便利なETHERNET用ケーブル内蔵タイプを用意した。「HC10DT防じん・防滴仕様」と同様に、小型コントローラー「YRC1000micro」で動作する。
同社の人協働ロボット「MOTOMAN-HC」シリーズの機能を踏襲し、外部からあらかじめ設定した制限値を超える力を検出すると自動で停止する人協働モードを搭載。安全柵の設置が不要となっている。また、アーム同士を離すことで隙間を確保する挟み込み防止の形状となっており、生産設備の自由度を向上した。
プログラミングペンダントを使用した従来のティーチング方法に加え、「ダイレクトティーチング機能」を搭載。直接手でロボットアームをつかんで自由に操作し、任意の動作を教示できる。また、直感的な操作でロボットへ動作指示ができるため、ロボット操作に不慣れなユーザーや頻繁にティーチングが必要となる工程へ容易にロボットを導入できる。
「MOTOMAN-HC20DT防じん・防滴仕様」 出典:安川電機
安全運転、安心設計 出典:安川電機
簡単な操作出典:安川電機
- 安川電機が考える人協働ロボットの課題と可能性
安川電機の人協働ロボット「MOTOMAN-HC10」は市場投入後1年を経過した。その手応えを開発担当者に聞いた。
- 人手不足対策で完全自動化は逆効果、人とロボットの協力をどのように切り開くか
人手不足に苦しむ中で、工場でもあらためて自動化領域の拡大への挑戦が進んでいる。その中で導入が拡大しているのがロボットである。AIなどの先進技術と組み合わせ、ロボットを活用した“自律的な全自動化”への取り組みも進むが現実的には難易度が高く、“人とロボットの協調”をどう最適に実現するかへ主流はシフトする。
- 協働ロボット、ロボットシステムに残された課題と未来
協働ロボットを現場で活用するのにどのような工夫が必要か――。ロボット技術の総合展示会「2017国際ロボット展」では、ロボットメーカーおよびユーザー企業によるパネルディスカッション「ロボットフォーラム2017」が実施され、協働ロボットの意義について語った。
- 機械は人の仕事を奪わない、“人とロボットがともに働く現場”が拡大へ
2016年は人工知能関連技術が大きな注目を集めて「機械が人間の仕事を奪う」という議論が大いに盛り上がりを見せた。こうした一方で2017年には「現場」において、こうした動きと逆行するように見える「人とロボットが協力して働く世界」が始まりを迎える。
- いまさら聞けない産業用ロボット入門〔前編〕
日本は「ロボット大国」とも呼ばれていますが、その根幹を支えているのが「産業用ロボット」です。それは世界の産業用ロボット市場で圧倒的に日本企業がシェアを握っているからです。では、この産業用ロボットについてあなたはどれくらい知っていますか? 今やあらゆるモノの製造に欠かせない産業用ロボットの本質と基礎を解説します。
- 製造現場での普及を2倍に、ロボット新戦略が目指すロボットと共に働く未来
日本政府が主催する「ロボット革命実現会議」は、ロボット活用の技術的および規制面でのロードマップを示した「ロボット新戦略」を発表した。本稿では、この新戦略の中で示されている「モノづくり」分野への取り組みにフォーカスし、その内容を紹介する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.