スマートフォンがクルマの鍵になる、車載超広帯域無線ICを発表:車載半導体
NXP Semiconductorsは、スマートフォンを車の鍵として使える新しい車載超広帯域無線IC「NCJ29D5」を発表した。同無線技術を搭載することで、ハンズフリーでのドア開閉やエンジン始動、リモートパーキングなどが可能になる。
NXP Semiconductorsは2019年11月13日、スマートフォンを車の鍵として使える新しい車載超広帯域無線(UWB)IC「NCJ29D5」を発表した。
UWBは、Wi-FiやBluetooth、GPSなど他の無線技術に比べて、高精度で安全なリアルタイム位置特定機能を特長とし、ハンズフリーのスマートアクセスやリモートパーキングなどさまざまな用途に対応する。
UWB技術を搭載したモバイル機器やスマートデバイスは、空間的認知機能を持ち、ユーザーのいる場所を車に正確に知らせる。これにより、ユーザーはスマートフォンをポケットやバッグに入れたまま、ハンズフリーでドアの開閉、エンジン始動、リモートパーキングができるようになる。また、リレーアタックによる車の盗難も防止する。
この他にも、スマートフォンのアプリケーションを使った自動バレーパーキング、電気自動車用充電器への自動ポジショニング、ドライブスルー決済、車庫へのシームレスなアクセスなど、さまざまな用途が想定されている。
さらに、NXPはBMWグループ、コンチネンタルなどの企業とともに、カー・コネクティビティ・コンソーシアム(CCC)とIEEEを通じて、車載UWBの普及と標準化に向けて協力することを発表した。
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コンチネンタルは、Bluetooth Low Energyとスマートフォンを活用した次世代のクルマの鍵を開発している。ドライバーが乗車しようとして歩いてくるのを識別して解錠したり、ドライバーが誰であるかを認識して乗り込む前にシートの位置やエアコンの設定を自動で行ったりできるようにする。また、スマートフォンがそのままクルマの鍵になる技術も2016年末に向けて開発中だ。
- スマートエントリーがあれば鍵を開けなくてもクルマに入れる!?
携帯キーを身に付けている状態で車両に近づくだけでドアの開錠を行えるスマートエントリー。極めて利便性の高い電装部品だが、無線を用いていることによる使用上の注意点もある。
- ブロックチェーンでスマホをクルマの鍵に、アルプスとアルパインの連携で実現
アルプスアルパインは「人とくるまのテクノロジー展2019 横浜」(2019年5月22〜24日、パシフィコ横浜)において、ブロックチェーンを用いたクルマ向けのデジタルキーを展示した。物理的なキーを使わないことで、クルマの貸し借りやカーシェアリングの利便性を向上させる。ブロックチェーンを用いることで、デジタルキーの管理や維持にかかるコストを低減する。
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ヨコオは2019年7月24日、クラウドからクルマの鍵の開閉を制御するシステム「MaaS向け車載器」を開発し、サービス提供を開始したと発表した。
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自動車向けのアプリを開発する場合は、サービスのデジタルモックアップを作成し、実際の車両を用いてテストを行います。これに対し、仮想環境での自動車エミュレーターを用いて車両がどのように応答するかを視覚化し、挙動をテストできるようにしました。その「カーエミュレーター」について紹介します。
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