ユニバーサルロボットは2019年11月26日、AGV(無人搬送車)やAMR(自律型モバイルロボット)への搭載に最適化したDCバッテリー駆動の協働ロボット新製品「OEM DC Model UR3e/UR5e/UR10e/UR16e」の販売を開始した。合わせてACバッテリー搭載のコンパクトモデルも用意し、こちらは工作機械など機器組み込み用途への提案を行う。
ユニバーサルロボットは2019年11月26日、AGV(無人搬送車)やAMR(自律型モバイルロボット)への搭載に最適化したDCバッテリー駆動の協働ロボット新製品「OEM DC Model UR3e/UR5e/UR10e/UR16e」の販売を開始した。合わせてACバッテリー搭載のコンパクトモデルも用意し、こちらは工作機械など機器組み込み用途への提案を行う。
新たにユニバーサルロボットがリリースするのは、従来モデルの「eシリーズ」からコントローラー内蔵ボックスとティーチペンダントを外したモデル(OEMモデル)だ。基本的なロボットアームの仕様は従来の「eシリーズ」の「UR3e/UR5e/UR10e/UR16e」と同じである。これにDC電源を付けた「eシリーズ OEM DC Model」(DCモデル)と、AC電源の「eシリーズ OEM AC Model」(ACモデル)をラインアップとして用意している。
OEMモデルの利点の1つがシステムの軽量化である。「eシリーズ」はロボットアームなどを全てそろえると15kg以上の重さがあったが、OEMモデルはコントローラーやティーチングペダルがないため5kg以下となっている。さらにシステム全体の省スペース化などにも貢献する。
「OEM AC/DC Model」の位置付けについて、ユニバーサルロボット 北東アジア担当ゼネラルマネージャ 山根剛氏は「ロボットは半完成品ではあるが以前から展開する『eシリーズ』はロボット単体で機能する形で提供するものだ。OEMモデルについては何らかのシステムの部品として提供するというのが大きな違いだ」と述べる。そのため価格についてもOEMモデルの方が2〜3割程度安くなるという。
さらに、ACモデルとDCモデルの位置付けの違いについては「DCモデルは直接電源供給が受けられるためにAVGやAMRと組み合わせた提案を進める。荷物の上げ下ろしなどAGVやAMRと協働ロボットとの組み合わせで実現できることは多い。また、ACモデルは、工作機械などロボットを機械やシステムに組み込んで提供する用途を想定している。以前からこうしたニーズはあったが対応する機種がなかったために、ティーチングペンダントやコントローラー内蔵ボックスなどを取り外して使っていたケースもあった。これらのニーズを捉えた製品を用意できた」と山根氏は語っている。
ユニバーサルロボットは2015年に米国のテラダインの傘下に入ったが、同じテラダイン傘下でAMRを展開するベンチャー企業に、デンマークのMobile Industrial Robots社(MiR)がある。ユニバーサルロボットのDCモデルは、基本的にはさまざまなAGVやAMRと組み合わせて使うことができるが、MiRとの組み合わせでは「より簡単な設定が可能だ。本社の開発部門が共同開発し、MiRのインタフェースからユニバーサルロボットの設定変更などを行うことができる」と山根氏は親和性について語る。
ユニバーサルロボットとMiRの両方の国内代理店となっているカンタム・ウシタカはこのMiRとユニバーサルロボットのDCモデルを組み合わせた提案を進めるという。カンタム・ウシタカ ロボティクス事業部 統括部長である松井重憲氏は「組み合わせることで、簡単で誰でも使えるという両社の利点を最大化することができる」と語っている。用途としては、半導体製造工程におけるウエハーの搬送作業の自動化や、工作機械におけるワークの搬送とセッティング、自動車製造などで部品棚から部品を集める工程などを想定しているという。「現状は人手でこれらの作業を行っているが、これらを自動化できる」と語っている。
ユニバーサルロボットで16kg可搬の「OEM DC Model UR16e」とMiRの100kg可搬モデルを組み合わせた場合、価格は「条件にもよるが約1000万円前後となる見込みだ」(松井氏)としている。
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