学生もEV開発に試行錯誤、先輩から後輩への技術伝承も課題に車・バイク大好きものづくりコンサルタントが見た学生フォーミュラ2019(3/4 ページ)

» 2019年11月11日 06時00分 公開

FINAL6 第1レース

静岡理工科大学(クリックして拡大)

 ここでエンデュランス審査の様子をレポートしておきます。午前中の審査でそれまでの暫定1位だった大阪大学が8周目でリタイア、優勝候補の一角が脱落しています。

 第1レースは地元静岡理工科大学、京都大学、芝浦工業大学の3チーム、静岡理工科大学は初のFINAL出場、私は引き続き同校のスポンサーを続けていて、大会期間中には日々の結果を夜遅くにメールで送っていただいているのですが、FINAL6への出場が決まった日のメールは喜びに満ちあふれていました。

 まずは静岡理工科大学、次いで京都大学、芝浦工業大学の順でスムーズにスタートしていきます。ラップタイムはどのチームも1分6〜7秒台の小差で周回を続けますが、エンジンは静岡理工科大学が排気量450cc単気筒(YAMAHA YZ450)、京都大学が排気量650cc2気筒(KAWASAKI ER650)、芝浦工業大学が排気量600cc4気筒(HONDA CBR600RR)で、おのおのが独特の排気音を響かせて疾走します。私は単気筒と2気筒が好みなのですが、4気筒エンジンの高回転域の甲高い排気音にもしびれます。

京都大学(クリックして拡大)

 ほとんどタイム差がない状態で1人目のドライバーが10周を終えピットイン、エンジンを1度停止し、ドライバー交代をして再スタートの準備をするのですが、京都大学のマシン後部から薄い白煙が上がっています。すると私の鼻にオイルの香りが……「こりゃまずい」とつぶやいてしまいました。オフィシャルがエンジン下部をのぞき込んで数十秒後にアナウンスが流れました。

 「京都大学、オイル漏れにより失格です」

芝浦工業大学(クリックして拡大)

 またもや優勝候補がここで脱落です。芝浦工業大学のマシンもセルスターターの音はするもののエンジンに火が入りません。その時です「パーンッ」と言う音とともに湯気が上がり、結局再スタートできずにリタイア。オーバーヒートによるウオーターライン(冷却水回路)のどこからかが破損したと思われます。

 その間にスムーズに再スタートを切った静岡理工科大学、単独走行となった2人目のドライバーは1人目のラップタイムに届かないものの、堅実な走りで無事10周を走り切り、初のFINAL6を無事完走でかざりました。おめでとうございます!

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