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» 2019年07月24日 10時00分 公開

3D CADの導入と社内展開を助け、その効果を最大化するための環境づくり“脱2次元”できない現場で効果的に3D CADを活用する方法(3)(2/3 ページ)

[小原照記/いわてデジタルエンジニア育成センター,MONOist]

3D CADの導入効果を引き出すための第一歩とは?

 3D CADとうまく付き合うには、最初が肝心です。3次元のメリット/デメリットをしっかりと理解し、業務プロセスを変えていくことも重要です。そのためには、3D CADに関する知識が不可欠ですが、独学でマスターするのはやはり難しいもの……。そこでオススメなのが、講習会などを活用してきちんとした教育を受けることです。

 正しくモデリングできないと、後からの設計変更に苦労したり、リンクが切れてデータが開けなかったりと、3Dデータの作成に手間と時間がかかってしまいます。そのため、できることなら、基礎教育だけではなく、実践的なトレーニングを受け、自社製品の3Dデータ作成について講師の方からアドバイスを受けるなど、導入に向けた準備をしっかりと進めておくべきです。

 このような事前準備には、どうしても時間も費用もかかります。しかし、最終的には、その方がうまくいきます。こうした準備をおろそかにしていると、3D CAD活用の立ち上げがうまくいかず、結局、以前使っていた2D CADに逆戻り……何てことにもなりかねません。

 とにかく、正しいモデリング作法を覚えることが、3D CADの導入効果を引き出すための第一歩です。うまくその効果を引き出せない場合、よく「3D CADの機能に問題があるからだ」という方もいますが、多くの場合は導入プロセスなどの進め方に問題があります。日々の業務が忙しくて3D CADの操作を覚える暇がなく、うまく使いこなせない……ということはよくあることです。だからこそ、プロジェクト管理者は、設計メンバーが3D CAD習得のための時間を確保できるよう努め、習得の進捗(しんちょく)度合いを管理してあげる必要があるのです。

 また、3D CADの操作が分からないときに、誰かに聞ける環境を作ることも重要です。操作方法が分からないとき、周りに聞ける人が誰もいない状態では、無駄な時間ばかりが過ぎてしまい、“3D CAD=面倒なツール”になってしまいます。

 無事に3D CADを使える人が何人か教育できたら、社内や協力会社などと一緒に勉強会を開催し、使い方に関する情報交換を図るのもよいでしょう。社内外の人たちとの交流は、良い刺激となり、設計者のモチベーションアップにもつながります。あるいは、社内で3Dモデリングコンテストなどを実施しても面白いかもしれませんね。

 同時に、社内における3次元推進の中心人物を育て、3D CADによる設計や教育のルールを策定することも重要です。それぞれ独自のモデリング手法で設計している現場は、あまり望ましい環境とはいえません。しっかりと社内で設計ルールを構築しましょう。

図3 3D CAD導入 スケジュール例 図3 3D CAD導入 スケジュール例

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