リコーは、米国向け主要複合機の生産を中国からタイに移管すると発表した。米中貿易摩擦によって今後起こり得るリスクを回避するのが目的だ。
リコーは2019年5月16日、米国向け主要複合機の生産を中国からタイに移管すると発表した。米国が中国に対する第4弾の制裁関税措置として、関税の引き上げ対象をほぼ全ての中国輸入製品に拡大したことを受けたものだ。製品仕向け地を見直すことで、関税引き上げの影響を最小限にすることを目的としている。
リコーは、主要複合機の高速モデルは中国の広東省深セン市にあるRicoh Asia Industry(Shenzhen)で生産し、中速低速モデルは、タイのラヨーン県にあるRicoh Manufacturing(Thailand)で生産していた。この体制を見直し、今後は製品仕向け地によって生産拠点を分ける。その結果、主要複合機の米国向けはRicoh Manufacturing(Thailand)が生産することになる。
同社は、これまで主要複合機を複数拠点で並行生産するなど、グローバル生産戦略の一環としてBCP(事業継続)対策の強化に取り組んできた。今回のタイへの生産移管は約2カ月で完了する予定。移管後も、グローバル全体や中国、タイ両拠点での生産量に大きな変動はないとしている。
同社は今後、主要複合機以外の品目についても、タイから中国への移管を含めて順次生産体制を見直すなど、さまざまなリスクに対応しながら、生産効率化を目指していく。
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