高速化と拡張性を追求したファンレス組み込み用PC:FAニュース
コンテックは、ファンレス組み込み用PC「ボックスコンピュータ BX-M1000」シリーズを発表した。インタフェースが豊富で拡張性に優れ、マルチコアCPUを搭載しながら、ファンレスで稼働する。注文時にCPUやストレージ、OSを選択できる。
コンテックは2019年2月19日、高速化と拡張性を追求したファンレス組み込み用PC「ボックスコンピュータ BX-M1000」シリーズを発表した。同日より受注を開始し、CPUやストレージ、OSなどをユーザーが選択して注文するBTO(注文仕様生産)方式で提供する。
BX-M1000シリーズは、第7世代 Intel Coreプロセッサ(Kaby Lake)を搭載。マルチコアCPUを搭載しながら、ファンレス(完全自然空冷)で稼働する。互換性を重視して、従来の「BX-1000」シリーズと同一寸法で設計されているため、既存システムから容易に置き換えできる。また、従来シリーズと比較して、CPU性能が最大40%、メモリ容量は2倍に向上。コストは約15%削減している。
CPUは、Core i5-7300UとCeleron 3965Uのいずれかを選択できる。Gigabit LANポートを3つ、USB 3.0ポートを6つ、RS-232Cなど拡張インタフェースを豊富に備え、産業用カメラを接続したり、フィールドネットワークを構築したりと、多様な産業アプリケーションに対応する。拡張スロット搭載モデルでは、同社のI/Oボードや画像処理ボードを活用できる。
ストレージは、100GB(ギガバイト)HDD、100GB HDD×2、100GB HDD×2(ミラーリング)、256GB SSD、256GB SSD×2、256GB SSD×2(ミラーリング)、ストレージなしの7種から選べる。
OSは、OSなしとWindows 10 IoT Enterprise 2019 LTSC 64bit(日、英、中、韓)を選択可能だ。
省スペースで高性能のコントローラーとして活用できることから、半導体製造装置や外観検査装置の他、顔認証、防犯システム、AI(人工知能)分析といった用途に適している。
左からスロットなしモデル、2×PCIスロットモデル、1×PCIe/3×PCIスロットモデル(クリックで拡大) 出典:コンテック
- スマートファクトリーが追い風に、産業用PCは工場内IoTの基盤となるか
工場内でIoTなどを活用し最適な生産を実現する「スマートファクトリー」への関心が高まっている。その基盤としてあらためて導入が広がっているのが産業用PCだ。従来は専用機器を活用することが多かった工場内だが、ネットワークや異システム間連携が必須となる中、産業用PCの「オープン性」があらためて注目を集めている。
- 工場にしなやかさをもたらす、産業用PCの真価とは〔前編〕
産業用コンピュータの歴史の中で、産業用PCにスポットを当てて解説していきます。まず〔前編〕で現在に至る歴史とその背景を、〔後編〕で産業用PCの製品特徴と使われる分野、これからの方向性などについて紹介します。
- 工場用のイーサネットって何だろう?
インダストリー4.0や工場向けIoTなどに注目が集まっていますが、そもそも工場内のネットワーク環境は、どのように構築すべきなのでしょうか。本連載では、産業用イーサネットの導入に当たり、その基礎から設備設計の留意点などを含めて解説していきます。第2回ではイーサネットとは何かを紹介します。
- いまさら聞けない EtherCAT入門
産業用オープンネットワーク「EtherCAT(イーサキャット)」をご存じだろうか。工場などの産業用オートメーションにおいて、フィールドネットワークのオープン化が進む中、なぜEtherCATの存在感が増しているのか。誕生背景やメカニズム、活用シーンなどを詳しく解説し、その秘密に迫る。
- いまさら聞けないFL-net入門
オープンPLCネットワークの「FL-net(エフ・エル・ネット)」をご存じでしょうか。工場のさらなる高度化が進む中、工場ネットワークのオープン化は加速しています。その中でPLCの相互互換性を確保するオープンPLCネットワーク(OPCN)にも注目が集まっています。OPCNを実現する「FL-net」の誕生背景やメカニズム、活用シーンなどを解説します。
- いまさら聞けないPROFINET入門
イーサネットベースの産業用ネットワークである「PROFINET(プロフィネット)」をご存じでしょうか。工場の高度化が進む中、工場ネットワークのオープン化は加速しており、オープンネットワークであるPROFINETの利用範囲は拡大を続けています。本稿では、PROFINETとは何かを分かりやすく解説し、その強みに迫ります。
- いまさら聞けない IO-Link入門
インダストリー4.0などによりスマートファクトリーをはじめとする工場内IoTが注目を集める中、大きなカギを握る技術として注目度を高めてきているのが「IO-Link」です。製造現場のさらに末端情報を担うセンサーやアクチュエータからの情報取得を可能とするIO-Linkとは何かを、本稿では分かりやすく紹介します。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.