日本マイクロソフトブースで展示されていたのと同様のカートPOSを手掛けているのが東芝テックだ。2019年4月発売の「ピピットカート」の他、2020年春には、来店客自身のスマートフォンでカートPOSと同様のことが行えるシステムも投入する計画だ。
POSシステム大手として、これらにカートPOSの他セルフレジやセミセルフレジなどを並べた東芝テックだが、無人店舗ソリューションのコンセプト展示も行っていた。同社が無人店舗ソリューションを展示するのは今回が初めて。
この展示ではまず、店舗の入り口でスマートフォンアプリなどに表示したQRコードを使って個人認証を行う。その後は、来店客が棚から手に取った商品が自動でアプリのカートに追加される。店舗から出たと当時に決済も行われるという内容。小規模店舗をイメージした店内には1台だけカメラを設置しており、店舗内にあるPC上でカメラの画像データから来店客の行動を分析するAI(人工知能)を動作させている。「商品棚のカメラや重量センサーなど使っていない」(東芝テックの説明員)。来店客の商品取り出しについては、パッケージ商品だけでなく、リンゴやバナナなども認識できていた。
POSシステムや小売店向けのITシステムなどを展開するヴィンクスは、同社秋葉原オフィスの社内売店に導入しているセルフレジを用いた無人店舗の展示の他、前回の「リテールテックJAPAN 2018」に続いて近未来の無人店舗をイメージしたコンセプト展示も行った。
今回の展示では、スマートフォンアプリなどを使って入店時のチェックインを行う。その来店客の店舗内における動きは、来店客のスマートフォンのBluetooth通信を用いたビーコン技術による位置推定と、ステレオカメラによる人物認識を組み合わせて実現している。
棚から選んだ商品の認識は、各商品の前に設置した棚札の裏側にある距離センサーを用いている。「前回の無人店舗の展示では、商品棚にカメラを置いて来店客の顔認識を行うなどしていた。実際に無人店舗のソリューション構築に取り組んでみるといろいろ分かることも多く、今回は前回と比べてより現実的な構成にした。例えば前回は、棚札の裏側の距離センサーの処理は1列につき1台のコンピュータを使っていたが、今回は3列につき1台に変更した。今後も、技術進歩などに合わせてより現実的なものになっていくのではないか」(ヴィンクスの説明員)という。
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