東北大学は、深紫外(DUV)波長領域で動作するサファイア基板上に作製した窒化アルミニウムガリウム発光ダイオードの高効率動作メカニズムを解明した。強い発光を生じるナノ領域に、電流が集中する特異構造が形成されていることが分かった。
東北大学は2019年1月30日、殺菌に必要な300nm以下の深紫外(DUV)波長領域で動作する、サファイア基板上に作製した窒化アルミニウムガリウム発光ダイオード(AlGaN LED)の高効率動作メカニズムを解明したと発表した。同大学多元物質科学研究所 教授の秩父重英氏らと、創光科学、名古屋大学、名城大学が共同で研究した。
今回の研究では、創光科学が提供するAlGaN LEDの構造を電子顕微鏡を用いて調査した。LED表面には、特徴的な凹凸構造が見られ、特に稜線部分に強い発光が集中して観測できた。この強い発光は、低いエネルギーを持つ光子を放出していることが判明。また、強い発光を生じるナノ領域に、電流が集中する特異構造が形成されていることが分かった。
この発光効率を高める特異構造を制御すれば、AlGaN LEDの高効率化が期待できる。DUV光源は太陽光より波長が短いため、医療、浄水、殺菌、消毒や高速光無線通信など、幅広い分野での活用が見込まれる。
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