特集:IoTがもたらす製造業の革新〜進化する製品、サービス、工場のかたち〜

製造業がデジタル変革で実現すべき3つのポイントとは――マイクロソフトの提案製造ITニュース(1/2 ページ)

日本マイクロソフトは製造業を取り巻く環境が大きく変化する中、「Factory of the future」「Product as a Service」「Intelligent Supply Chain」の3つの方向性での取り組みを進める方針を示した。

» 2019年02月06日 07時00分 公開
[三島一孝MONOist]

 日本マイクロソフトは2019年2月5日、製造業向けのIoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)などの取り組みについて発表。製造業を取り巻く環境が大きく変化する中、「Factory of the future」「Product as a Service」「Intelligent Supply Chain」の3つの方向性での取り組みを進める方針を示した。

マイクロソフトはプラットフォーマーを目指さない

 日本マイクロソフトでは、2020年に向けた注力分野として「インダストリーイノベーション」「ワークスタイルイノベーション」「ライフスタイルイノベーション」の3つのイノベーションを推進している。そのインダストリーイノベーションへの取り組みの中心となっているのが製造業向けの取り組みである。

 製造業は、異業種からのディスラプター(既存ビジネスの枠組み破壊者)やグローバル競合環境などにより、大きな変革を余儀なくされている。これらの中で日本マイクロソフトでは「革新的で、安心して使っていただけるインテリジェントテクノロジーを通して、日本の製造業のトランスフォーメーションおよび製造業のより良い顧客体験の実現に貢献する」を活動方針と位置付けている。

photo インフルエンザによりリモートで会見に参加した日本マイクロソフト エンタープライズ事業本部 製造営業統括本部 統括本部長 赤田将之氏

 その中で日本マイクロソフト エンタープライズ事業本部 製造営業統括本部 統括本部長 赤田将之氏がポイントとして挙げるのが支援の方法である。「マイクロソフトはプラットフォーマーにはならず、製造業がデジタル変革を実現する際のテクノロジーやインフラのサービス提供者となることを目指す。データの所有者はあくまでもユーザーである」と赤田氏はプラットフォーマーになろうとする他のITベンダーとの違いを強調した。

 さらに「日本の製造業の強みである人を中心とした変革の動きをサポートしていくことも特徴だ。よくAIに仕事を奪われる話なども出ているが、AIは基本的には人間の活動を支える位置付けだ」と赤田氏は付け加えている。

製造業のデジタル変革を3つの方向性からサポート

 日本マイクロソフトでは、製造業のデジタル変革に対し主に3つの方向性での支援を進めていく方針である。1つ目がスマートファクトリーやスマートエンジニアリングを実現する「Factory of the future」、2つ目が“コト”を提供するサービスソリューションを実現する「Product as a Service」、3つ目がサプライチェーンマネジメントを抜本的に進化させる「Intelligent Supply Chain」である。

photo 日本マイクロソフトが製造業向けでの提案を進める3つの方向性(クリックで拡大)出典:日本マイクロソフト

 日本マイクロソフト エンタープライズ事業本部 製造営業統括本部 インダストリ−マ−ケティングマネ−ジャ−の鈴木靖隆氏は「製造業が“モノ”から“コト”へシフトする中で、製造業の在り方は従来のモノづくりに加えて、新たな役割が増えていくことになる。グローバル化なども進む中で、各国の規制などもあるなど、製造業を取り巻く環境の複雑性は増している。こうした中でマイクロソフトでは主に3つの方向性での提案を進める。そうした状況を少しでもシンプル化し、新たな取り組みをサポートしていきたい」と述べている。

photo クロスインダストリーでデジタル変革を支える製造業の位置付け(クリックで拡大)出典:日本マイクロソフト
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