しまねソフト研究開発センターは、「Embedded Technology 2018/IoT Technology 2018(ET2018)」において、軽量Rubyとして知られるmrubyをさらに小型化した組み込み機器向けプログラミング言語「mruby/c」の展示を行った。IoT(モノのインターネット)に用いられるセンサーなどエンドポイントデバイスへの適用を想定している。
しまねソフト研究開発センターは、「Embedded Technology 2018/IoT Technology 2018(ET2018)」(2018年11月14〜16日、パシフィコ横浜)において、軽量Rubyとして知られるmruby※)をさらに小型化した組み込み機器向けプログラミング言語「mruby/c」の展示を行った。IoT(モノのインターネット)に用いられるセンサーなどエンドポイントデバイスへの適用を想定している。
※)関連記事:“Rubyの良さを組み込みに”を合言葉に開発された「mruby」とは何か
mruby/cの特徴は3つある。1つ目は「高い生産性」で、組み込み機器の開発に広く用いられているC言語と比べて短いステップで実装することができる。2つ目は、高速起動による「省電力」性能で、IoTのエンドポイントデバイスに求められる電池駆動が可能になる。そして3つ目の「コンカレントな動作」により、複数のプログラムを同時に実行できる。これは、複数のプログラマーが独立してコーディングすることが可能なことも意味している。
消費メモリ容量は、Rubyが数MB、mruby(OSS版)が数百KBであるのに対して、mruby/cは数十KB(50KB未満)で済む。ターゲットマイコンの例としては、サイプレス セミコンダクターの「PSoC5」、ルネサス エレクトロニクスの「RX210」、マイクロチップ・テクノロジーの「PIC24」を挙げている。また、mruby(OSS版)のプログラムをそのまま実行可能なVM(Virtual Machine)も用意している。
2016年からβ版を公開してきたmruby/cは、最新版のバージョンが1.2で、既に水位観測システムや醸造業向けIoTシステムなどでの活用が始まるなど「既にREADYな状態」(しまねソフト研究開発センターの説明員)という。展示では、環境発電(エナジーハーベスティング)によりmruby/cを実装したマイコンを動作させ、タブレット端末に信号を送信するデモを披露した。
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