自動車業界向けモデルベース開発エンジニアの育成カリキュラムを開始:組み込み開発ニュース
パーソルテクノロジースタッフは、自動車業界を中心としたモデルベース開発(MBD)エンジニア育成カリキュラムを開始した。研修では、数値計算ソフトウェア「MATLAB」「Simulink」の基本操作から演習問題まで体験する。
パーソルテクノロジースタッフは2018年10月25日、自動車業界を中心とした、モデルベース開発(MBD)エンジニア育成カリキュラムを開始したと発表した。今後、四半期ごとに育成研修受講者を決定し、2020年度中に関東、東海、関西エリア合計で約100人のMBDエンジニアの就業を目指す。
IoT(モノのインターネット)や自動運転など、自動車の多機能化や高性能化が進み、より複雑な検証が求められるようになっている。自動車メーカーやサプライヤー企業では、モデルを用いたシミュレーションを製品開発工程に実施し、従来の工程を改善して開発速度を向上させるモデルベース開発を取り入れつつある。こうした背景から、MBDスキルを持つエンジニアのニーズが高まっているという。
同社が提供する約2カ月半の期間の研修では、MathWorksのモデルベース開発環境である「MATLAB」と「Simulink」の基本操作から演習問題までを体験する。自動車分野のさまざまな例題を活用し、Simulinkでのシステムモデリング、アルゴリズムモデリング、設計検証の方法などを学ぶ。
また、ディスカッションを重ねるOJT型の研修も実施。これにより思考力を向上させ、就業先企業でエンジニアとして早期に活躍することを目指す。他に、モデルベース開発に挑戦したいという、エンジニアのキャリア支援も行う。
- いまさら聞けない モデルベース開発入門
あなたは人に「モデルベース開発」を正しく説明できるだろうか? プロセス改善手法の1つであるモデルベース開発の概念や特徴について解説
- モデルベース開発は単なる手法でなくモノの考え方、マツダ流の取り組みとは
マツダは2021年に向けて、エンジンや電動パワートレイン、プラットフォーム、デザインなど、さまざまな分野の取り組みを同時並行で市場投入する。「今後の研究開発計画を、今の人数でなんとかこなせるのはモデルベース開発を取り入れているから。単なる開発手法ではなく、ものの考え方だ」と同社 常務執行役員 シニア技術開発フェローの人見光夫氏は説明する。
- モデルベース開発でモデルが流通するために、互換性をどう持たせる?
アンシス・ジャパンのユーザー向けイベント「自動運転からEVまで シミュレーションで実現する設計開発ソリューションセミナー」で、モデルの流通に向けた課題や取り組みについてトヨタ自動車 電子制御基盤技術部 主幹の辻公壽氏が講演した。
- モデルベース開発を成功させるには相応の投資が必要です
モデルベース開発を行うにはさまざまなツールを購入する必要がある。事業担当者にとってツールの選定と予算確保は悩みの種。それは、主人公の京子の上司である山田課長にとっても例外ではなかった。
- モデルベースのクルマが、ホントのクルマになりました!
豊産自動車や他のサプライヤとともにモデル結合を行って、「バンビーナ」を搭載する「CVT∞」のECUに必要な仕様は固まった。京子たち三立精機の制御設計チームは、再度モデルの修正と検証を進めて、実際の車両を使った実機検証に挑むことになった。
- モデルベース開発って、どう教えればいいの?
全社のモデルベース開発におけるライセンス管理やデータマネジメント、そして教育を目的とした基盤強化チームに選ばれた京子。まずは、最大の課題と感じていた、モデルベース開発を知ってもらうための教育カリキュラム作りに取り組むことになった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.