ブロンコビリーは、今回のロボットにとどまらず新技術の導入に積極的だ。AI(人工知能)技術の進化で注目を集める画像認識についても、来店客層を分析するため2013年に一時的に試験導入していた。その際には、平日のランチは75%が女性客、土日とディナーは男女半々という結果が出たという。古田氏は「肌感覚で認識していたことが数字として浮き彫りになった」と説明する。
ここから発展し、店舗内のカメラを用いた画像認識は店舗スタッフのオペレーション効率の分析などにもこれから活用していきたいという。他にも、サラダバーの各食材の人気を分析したり、食材補充を知らせるのにも画像認識を用いることを検討している。「サラダバーで食べたい食材がないと、補充するまで待たせてしまう。そこれは客席回転率を下げる要因にもなる」(古田氏)という。
また、来店客の9割が利用するというサラダバーの上側には、49インチディスプレイを3台つなげたサイネージを設置している。野菜の産地や季節のメニューなどさまざまな情報を流すことで、顧客満足や次回の来店につながる。大きな効果が得られるということで、現在は全店舗でサイネージが展開されている。
その一方で、最新技術の導入は是々非々で判断している。多くのレストランチェーンにある、スタッフを呼ぶための呼び鈴は採用していない。これは、呼び鈴があると、スタッフが来店客の様子を見なくなってしまい、顧客満足の観点からいって望ましいことではないからだ。ただし、ピークタイムなどに来店客をカバーしきれないという問題については、画像認識を使ってスタッフを呼んでいる来店客を検知し、知らせるようにするなどの対策を計画中である。
古田氏は「今回のロボット導入は、どうやったらより良くなるかを考えての取り組みになる。決して、労働力不足や人手不足への対策といった悲壮感から始まるものではない。何がベストか、常に試行錯誤していく」と述べている。
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