ライフロボティクスは、牛丼を主力とする外食チェーンの吉野家に同社が展開する“肘”のない協働ロボット「CORO」を導入。店舗における食器洗浄工程で約78%の工数削減に成功したことを明らかにした。
協働ロボットの開発、製造、販売を行うロボットベンチャーであるライフロボティクスは2017年3月27日、同社の協働ロボット「CORO(コロ)」を大手外食チェーンの吉野家に導入し、店舗における食器洗浄工程で約78%の工数削減に貢献したことを明らかにした。
ライフロボティクスが開発した「CORO」は多関節ロボットだが、人間に当たる“肘”をなくし、独自特許技術「Transpander Technology」により、手に当たる部分が伸び縮みすることで、安全に省スペースでさまざまな作業を行えるという利点を持つ協働ロボットである。アームは、6方向への作業自由度を持ち、本体重量は26kg、可搬重量は2kgとなっている。アンカーボルトによる固定も不要で、さらに独自のティーチング用ソフトウェアにより、直感的なティーチングなども可能だ。協働ロボットとして、安全柵を不要とする安全機能なども備えており、従来ロボットが導入できなかった領域での使用が可能となる。
吉野家では、各店舗の食器洗浄工程で導入した。食器洗浄工程の流れはまず、従業員がシンク下に設置された回転ブラシで食器を軽く洗浄し、食器をコンベヤー上に伏せて置く。次にコンベヤー上を流れが食器が食器洗浄機で洗浄する。その後「CORO」が、食器洗浄機から出てきたぬれた状態の食器を識別し、種類を見極めて積み重ねていくという流れだ。
吉野家では、1店舗1日あたり約1300個の食器を洗浄している。食器洗浄作業における食器の浸漬(しんせき)、洗浄から洗浄後の格納作業は、従業員の腰や肩への負担、食器の破損による手指のけが、手荒れなど、大きな負担となっていた。また、バックヤードが狭いため、狭小空間でも協働可能なロボットとして「CORO」が採用された。
吉野家では食器洗浄工程への「CORO」導入により、労働時間を2.3時間から1.8時間に削減。さらに取り組みを進めて労働時間を1.3時間まで減らし、約78%の工数削減を見込んでいるという。
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