ヤンマーのスマートアシストやクボタのKSASなどの営農支援システムも着実に進化を遂げている。
ヤンマーのスマートアシストは、農機の稼働状況を管理するM2Mサービスとして登場したが、現在はほ場管理などを含めた営農支援サービスも展開している。また、スマートアシストによる営農支援と連携可能なリモートセンシングを、コニカミノルタとの合弁企業であるファームアイからサービス提供を始めている。ファームアイは、ドローンに搭載したカメラでほ場を撮影し、生育状況のばらつきを見える化するとともに、農作物の生育状況の診断とそれに合わせた可変施肥などを行うサービスだ。
この他ヤンマーは、スマートアシストと連携する情報支援機能付きコンバインを参考展示した。米や麦、大豆に対応する収量測定システムを搭載しており、スマートアシストと連携して作業計画に役立てることができるという。
クボタは、さらなる精密農業の実現に向けたKSASの進化について展示を行った。同社はKSASや食味センサー付きコンバインなどを利用して、ほ場単位での収量や食味の管理を実現している。今後は、管理する単位をほ場から農場内の5m四方のエリアに精細化し、扱うデータも収量や食味以外にも広げていきたい考えだ。
営農の1年のプロセスは、土づくり、施肥、生育管理、収穫、乾燥・調整/出荷のサイクルで回っている。KSASは、このプロセスに関わる精密データを次プロセスに活用するとともに、高度な解析を実施して次の年の営農改善に役立てることが基本コンセプトだ。
今後のKSASでは、精細化したエリアごとに各プロセスに求められるデータをレイヤーとして重ね合わせたレイヤーマップで一元管理していくことになる。気象、食味、収量、生育、施肥、土壌、そしてほ場の基本データなどから構成される。エリアの精細化は水平方向に、レイヤーマップは垂直方向にデータが精密化していくイメージだ。
同社はドローンによる農薬散布やリモートセンシングに取り組んでいるが「これらも全て進化版のKSASを実現する上で必要な要素だ」(クボタの説明員)という。
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