ブリヂストンではこれらのデジタル化の推進を主に3つのステップで計画。1つ目が社内の生産性やオペレーション品質を向上させる「Digital for Bridgestone」、2つ目がタイヤを通じたサービスビジネスを提供する「Digital for Customers」、3つ目がこれらを産業レベルに広げ産業全体の振興につなげる「Industry Level Ecosystem Play」である。
「Digital for Bridgestone」の1つが、スマート工場化である。象徴的な取り組みがICTや人工知能(AI)技術を搭載した新たな生産システム「EXAMATION(エクサメーション)」である。これは、AI関連技術などを組み込みタイヤ成型工程を完全に自動化した生産システムだ。
ビッグデータ分析を行いアルゴリズム生成を行うシステム群「BIO(Bridestone Intelligent Office)」と、生産工程を自動制御するシステム群「BID(Bridgestone Intelligent Device)」の2種類のシステムで構成され、機器に取り付けられたセンサー群と、これらから得られたデータによりBIOで生成されたアルゴリズムで高度な生産品質を実現する※)。「彦根工場で導入しているが、既に15〜20%の生産品質向上の実績があり、世界各地の工場にも導入を進めているところだ」(増永氏)。
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「Digital for Customers」はまさにソリューションビジネスの展開である。既にこれらのソリューション化は進んでおり、運送業者にタイヤの提供や状況監視、リトレッド、アフターサービスなど「タイヤのことなら全てお任せ」を実現する運送ソリューションを提供したり、自動車メーカーに対し振動をタイヤだけでなくさまざまな箇所で吸収し乗り心地の向上を目指すNVH(ノイズ、バイブレーション、ハーシュネス)ソリューションなどを展開したりし、評価を得ているという。
増永氏は「顧客はタイヤが欲しいわけではなく、モノを安定して運べればよいと考えている。その『タイヤ領域については全てお任せください』というサービスをサブスクリプションモデルで展開する。運送業者にこれらのソリューションを展開すると同時に、顧客の使用データを直接取得できるようになるため、自社のエンジニアリングチェーンへのフィードバックにも活用できる。両面での活用を推進していく」と取り組みについて述べている。
その他、鉱山における特殊車両のタイヤ状況を監視する「B-TAG」と「TREADSTAT」、タイヤにセンサーを取り付けることで路面状況を把握できる「CAIS」などのサービスを紹介した。
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