愛知産業は、「第29回 設計・製造ソリューション展(DMS2018)」(2018年6月20〜22日、東京ビッグサイト)において、金属積層造形装置および造形用統合ソフトウェア、材料粉末のライフサイクル管理システムなどを紹介した。
愛知産業は、「第29回 設計・製造ソリューション展(DMS2018)」(2018年6月20〜22日、東京ビッグサイト)において、金属積層造形装置および造形用統合ソフトウェア、材料粉末のライフサイクル管理システムなどを紹介した。
愛知産業では、粉末床溶融によるSLM(選択レーザー溶融)法や、アーク溶接や電子ビームを熱源に用いたDED(指向性エネルギー堆積)法による金属積層造形装置を取り扱う。SLM方式は精度がよく、LMD方式は高速で安価といった特長がある。
愛知産業ではSLMやEBM(電子ビーム溶融)、LMD(レーザーメタルデポジション)方式に使用できる粉末として、LPWテクノロジー社(LPW社)の製品を提供している。金属粉末は高価なため、使用量や再利用状況を管理する必要がある。また輸送や再利用の際に品質の変化するおそれもある。そこでブースでは、LPW独自のパウダー品質管理システムを紹介していた。
LPWのデータ管理システム「PowderLife」は、パウダーの化学組成やサイズ、形状、密度、流動性などの情報を統合管理する。「PowderTrace」は輸送工程などの周辺環境を管理できるシステム。最大500kgの粉末を保管できる容器には環境計測センサーが備えられており、常時データを取得することができる。「PowderFlow」は粉末流動を確認する。粉末は利用を繰り返すことで流動性が下がり、造形欠陥の原因となる。そのためASTM規格に準じて流動性を確認する。
品質状態の可視化、管理はソフトウェア「PowderSolve」において行う。Solveは航空宇宙や医療で要求される品質を満足させるために開発された。パウダーのトレーサビリティー管理、品質分析、予測が可能だ。
また愛知産業のブースでは、SLM社が開発した3Dプリント統合ソフトウェア「ADDITIVE.DESIGNER」を紹介していた。これはCAD、シミュレーションおよび造形ソフトウェアの機能を統合することにより、造形速度や品質、コストを最適化できるソフトウェア。「積層造形においては、一連のプロセスを統合して取り扱うほど、製造物の精度を高めることができる」(展示説明員)ことから開発を行ったという。これによって、例えばサポートなしで造形できる限界角度は一般的に45度とされているが、20度でも造形することが可能になった。ソフトウェアはドイツ語で開発されているが、日本語版も提供するという。
「SLM社は基本的にオープンな方針のため、ソフトウェアはSLM製品以外にも利用できる。また装置で使用する粉末も自由。愛知産業では粉末供給やデータ準備から造形、検査まで一貫してサポートできる」(展示説明員)という。
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