葵会とメディホームが、歯科パノラマX線における診断AIを共同開発した。虫歯や根尖病巣、歯石、嚢胞、根分岐部病変の各症状の患部を検出し、ベテラン歯科医師の約6000倍の速さでX線画像の読影ができる。
葵会は2018年6月13日、メディホームと共同で歯科パノラマX線における診断AI(人工知能)を開発したと発表した。歯科パノラマX線画像の読影時間は1枚当たり0.018秒ほどで、ベテラン歯科医師の平均的な読影時間に当たる120秒の約6000倍のスピードになるという。
同AIの基本機能では、虫歯や根尖病巣、歯石、嚢胞、根分岐部病変の各症状の患部を検出できる。AIに教師データとなる患部情報を読み込ませて学習を重ね、診断精度を高めていく仕組みだ。今回の開発では、約1万2000枚のパノラマX線写真と病状患部約2万5000件を教師データとして用いた。
医師の経験の違いなどから差が出ることもある歯科パノラマX線画像の読影については、医療の標準化に加え、AIによるダブルチェックが望ましい。診断AIは、歯科医師をサポートし、診断の質の向上や医師の業務負担軽減を目指すものだ。
今後、さらにAIの診断精度を向上し、歯科X線システムやカルテシステムと連携するなど機能強化も予定している。
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