「第2回 AI・人工知能 EXPO」(2018年4月4〜6日、東京ビッグサイト)で「AmazonによるAIの民主化」をテーマにAmazon.com(以下、アマゾン)Alexa マシンラーニングプラットフォーム バイスプレジデントのRavi Jain(ラヴィ・ジェイン)氏が特別講演を実施。アマゾンのスマートスピーカー「Amazon Alexa(以下、Alexa)」をよりスマートにするビジョンなどを紹介した。
「第2回 AI・人工知能 EXPO」(2018年4月4〜6日、東京ビッグサイト)で「AmazonによるAIの民主化」をテーマにAmazon.com(以下、アマゾン)Alexa マシンラーニングプラットフォーム バイスプレジデントのRavi Jain(ラヴィ・ジェイン)氏が特別講演を実施。アマゾンの音声対話技術「Amazon Alexa(以下、Alexa)」をよりスマートにするビジョンなどを紹介した。
人々の生活をシンプルに、そしてさらに豊かなものへと変えるためにAI(人工知能)の活用範囲がますます拡大し、それに対応するためにAIを取り巻く業界が急速に進化するにつれて、AIの民主化への期待が大きく高まってきた。しかしその一方で、音声言語向けAIを普及するためには、さまざまな知見やノウハウなどのリソースが必要とされている。
ジェイン氏は音声言語理解の分野に取り組むソフトウェアエンジニアや音声科学専門家などで構成されるチームを統括する。技術領域としては、自動音声認識、自然言語処理、ディープラーニングプラットフォーム、パーソナライズ化モデル構築、ビッグデータ、コンピューティングインフラ、開発者向けツールなどがあるという。
アマゾンでは、これまでもAIの民主化を推進してきた。その例として「Alexa Skills KitやAlexa Voice Serviceは、開発者を刺激し、さまざまなユーザーにとって役に立つ数万ものアプリケーションや機能(スキル)の開発を支援している」とジェイン氏は紹介する。
講演では、Alexaをよりスマートにするだけでなく、ユーザーが毎日利用するテクノロジーと直感的にやりとりできるよう取り組んでいる開発者を支援するアマゾンのビジョンについても解説した。
ジェイン氏によると、コンピュータの歴史を10年ごとにさかのぼってみると、新しい世代のコンピューティングが誕生していることが分かるという。「能力、速度といったものもあるが、別の考え方としてユーザーインタフェースの進化やマシンインタラクションの変化というものもある」とジェイン氏は指摘する。現在はインタラクション(相互作用)として音声や会話が注目を集めている状況だ。言語能力を備えている人間にとって音声は最も自然なインタラクションであり、そこを生かす新たなインタフェースを実現するという考えである。
アマゾンではユーザーや機械とのインタラクションを再定義することを目指し、10年前からさまざまな新しいテクノロジーを研究してきた。人々の生活の中でコンピュータの利用を便利にすることを目指したもので、結果的にクラウドベースの音声制御コンピュータを作る方向に向かった。自然な会話はまるで、友人と話すようであり、「この方向性だと感じた」(ジェイン氏)ことから、今のAlexaへとつながったという。「音声により、インタラクションのやり方を改善し、より自然なものになり、あらゆる消費者が使いやすくなっている」(ジェイン氏)とする。
アマゾンが開発した最初のAI関連デバイスがAIスピーカーの「Amazon Echo」である。ハンズフリーのスピーカーで、声を使って制御しており「これまでもユーザーから多くの反応を得ており、われわれの励みになっている」(ジェイン氏)という。
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