米国マイクロソフト MRスタジオ ゼネラルマネジャーのロレイン・バーディーン(Lorraine Bardeen)氏は、「マルチセンサー、マルチデバイス」の取り組みにおいて、MRの果たす役割の重要性を説いた。
マイクロソフトは「Microsoft 365」などの業務アプリケーションと「Microsoft Graph」によりデジタル世界のデータを収集している。これと現実世界のデータを組み合わせる上で役立つのが、ヘッドマウントディスプレイ「HoloLnes」を用いた空間データの投影だ。バーディーン氏は「モダンワークプレースには、ナレッジワーカーとファーストラインワーカーがいる。顧客や現場の問題に最初に気付くファーストラインワーカーは世界に20億人いるといわれているが、MRでその活動を支援したい」と強調。ドイツの大手ティア1サプライヤーであるZFや、ドイツの鉄鋼部品メーカーであるティッセンクルップの採用事例を紹介した。
また、新たなMRのビジネスアプリケーションを2つリリースしている。リモートでの共同作業を支援する「Microsoft Remote Assist」と、MRによる空間設計を可能にする「Microsoft Layout」である。
基調講演の最後には、日本マイクロソフト 社長の平野拓也氏が登壇。注力分野としてMR、IoT、AIの3つを挙げ、日本での活動状況を紹介した。
MRでは、Microsoft Mixed Realityパートナープログラムに、セック、ポケット・クエリーズ、シャンティ、電通国際情報サービスが新たに加わった。IoTでは、2016年に13社で立ち上げた「IoTビジネス共創ラボ」の参加企業が、現在では435社まで増えているという。さらに平野氏は、IoT関連の取り組みとして、日立製作所のIoTプラットフォーム「Lumada」とAzureが連携していく方針を示した。既にさまざまな採用事例で両社は連携しているが、今後より緊密な関係を築いていくことになりそうだ。
AIについては、日本マイクロソフトで開発を進めているソーシャルAIチャットボット「りんな」が、会話エンジンの共感モデルを次世代に移行することを発表。また、米国で発表済みの、障害者を支援するAI技術への投資プロジェクト「AI for Accessibility」に基づき、開発者コミュニティー「Accessibility Developer Community」を日本支援技術協会と連携して設立したことも発表している。
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