日本マイクロソフトは「Embedded Technology 2017」「IoT Technology 2017」で、「インテリジェントクラウド、インテリジェントエッジ」を訴え、エッジからクラウドまでをシームレスに展開できる価値を訴求した。
日本マイクロソフトは、2017年11月15〜17日にパシフィコ横浜(横浜市)で開催された組み込み関連技術の展示会「Embedded Technology 2017(ET2017)」とIoT関連技術の展示会「IoT Technology 2017」において、「インテリジェントクラウド、インテリジェントエッジ」を訴え、エッジからクラウドまでをシームレスに展開できる価値を訴求した。
米国Microsoftは、強化を進めてきた「Microsoft Azure(以下、Azure)」を中心とした「インテリジェントクラウド」に加えて、「Windows」などを強みとしエッジデバイスのインテリジェント化を進める「インテリジェントエッジ」を訴求。インテリジェントクラウドとインテリジェントエッジをシームレスに連携させることで、IoT(モノのインターネット)によるデータ収集とAI(人工知能)関連技術などによる分析の効率的なサイクルを提案する。
2017年11月15日(現地時間)に米国で開催されたプロフェッショナル開発者向け年次イベント「Connect(); 2017」では新たに「Azure IoT Edge」のプレビュー提供が発表された。これは、従来Azure上でのみ利用できたAIや先進的アナリティクス技術、機械学習技術などをエッジデバイス上で活用できるというものだ。
「Embedded Technology 2017(ET2017)」およびIoT関連技術の展示会「IoT Technology 2017」では、日本マイクロソフトブース内でパートナーとして出展した東京エレクトロンデバイス(TED)が、「Azure IoT Edge」対応のエッジデバイスを出展し同デバイスとAzureの連携による異常検知のデモを披露した。
デモではまずセンサーで取得したモーターの振動データをエッジでフィルタリングしてAzureに送る。そしてAzure上で異常値を算出し、結果をエッジデバイスにフィードバックする。さらにエッジデバイスで各モーターの異常値を判断してアラートを表示するというシステムである。異常値の算出についてはクラウド上で行うが、個々の以上の判断自体はエッジデバイスで行うことで、リアルタイム性などを確保することが可能となるという。
その他、製造現場向けのコントローラーや産業用PC、ゲートウェイなどについてもAzure対応機器(Azure Certified for IoT)が拡大していることをアピール。認定デバイスであれば、Azure接続検証の手間がなくシステム構築が可能となるため、工場内の遠隔監視の早期導入などに貢献する利点を訴えている。
会場では、アドバンテックやNEC、オムロン、ジェイテクト、安川情報システム、リコーなど10機種が紹介されていた。
IoT機器の開発やAIの活用などを簡易的に体験できるIoT開発体験ラボなども用意。2016年のブースでも用意していたが「今回は10分程度で体験できる短いバージョンなども用意し、手軽に体感できるようにしたことが特徴」(同社)。ツールなどが出そろってきたこともあり簡単にIoTデバイスの開発が実現できる環境が整ってきた意義などを訴えた。
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