富士通は、心臓データを3Dモデルで観察・分析できるソフトウェア「FUJITSU ヘルスケアソリューション Heart Explorer」を発売した。心臓シミュレーターの出力データを3Dモデルで表現でき、精緻な心臓の挙動の学習ができる。
富士通は2018年4月11日、心臓データを3Dモデルで観察・分析できるソフトウェア「FUJITSU ヘルスケアソリューション Heart Explorer」を発売した。大学医学部などの医療・看護系の教育機関向けとなる。価格は385万円で、アカデミック向けが250万円(いずれも税別)。2020年度末までに、140ライセンスの販売を目指す。
Heart Explorerは、スーパーコンピュータ「京」などを用いて研究開発した心臓シミュレーターの出力データから、従来困難とされていた心筋の動きや血流、興奮伝播(でんぱ)、心電図などの心臓の挙動を3Dモデルで観察・分析できる。
心筋にかかる圧力、血流挙動、興奮伝播などの物理的な値をグラフで表示・可視化する構造解析機能や、学習者自らが3Dモデルの視点や断面を自由に設定できる機能などを搭載。模型では困難だった立体構造や内部構造、拍動、血流を3Dモデルで学べる。教材には、健康な心臓だけでなく、心筋梗塞などの症例ごとのコンテンツも用意しており、心疾患についても学習できる。
また、シミュレーターにより再現した体の表面に電極を設置し、電圧を変化させて心電図を表示する。同時に、心臓内に興奮が伝播する様子を可視化できるため、教科書や模型などを用いた教育では難しかった両者の関係性を関連付けて理解できる。
3次元立体視ディスプレイ「zSpace 200」(別売り)を使ったVR(仮想現実)技術にも対応し、心臓の立体構造や内部構造、心拍動などを360度立体的に観察できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.