タイヤ大手2社が北米の販売で協力、販売店に毎日商品を届けられる体制に:製造マネジメントニュース
グッドイヤーとブリヂストン アメリカスは、米国で卸売り事業を展開する新会社を折半出資で設立する。
新会社は全米80カ所以上の物流拠点を持つ(クリックして拡大) 出典:ブリヂストン
ザ・グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニー(グッドイヤー)とブリヂストンの米国子会社であるブリヂストン アメリカスは2018年4月17日、米国で卸売り事業を展開する新会社を折半出資で設立すると発表した。売上高上位3社のタイヤメーカーのうち、トップのブリヂストンと3番手のグッドイヤーが北米ビジネスで協力する。
新会社「TireHub」は2018年半ばに設立予定で、乗用車や小型トラック用のタイヤを扱う。両社の商品ラインアップを供給することにより、大口径プレミアムタイヤの需要拡大に対応する。
新会社はジョージア州アトランタに本社を置き、両社の既存の倉庫を活用するため物流拠点は全米80カ所以上となる。グッドイヤーとブリヂストンアメリカスが保有する販売網を統合することで物流ネットワークを補完し、商品の在庫管理や販売、配送まで一貫したサービスを提供する。販売窓口の一本化や販売店のPOSシステムと統合できるオンラインポータルの導入などを進める。
これにより、全米のほとんどの販売店に毎日配送することが可能になるとしている。タイヤ販売店の中には十分な在庫スペースを持たない店舗もあり、取扱商品の増加に対応することが課題となっていた。必要な商品を迅速に供給できる体制を整えることで消費者のニーズに応えていく。
新会社のCEOは、食品メーカーCP KelcoのPeter Gibbons氏が就任する。玩具メーカーのMattelや、コーヒーチェーンのスターバックスでサプライチェーンの責任者を務めた経験を持つ。グッドイヤーやブリヂストンからは独立して新会社の事業を進めていく。
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