MRI撮像のノイズ除去に深層学習を、キヤノンメディカルらが研究開始医療機器ニュース

キヤノンメディカルシステムズは、熊本大学とフランスのボルドー大学と共同で、ディープラーニングをMRI撮像に適応したノイズ除去再構成技術「Deep Learning Reconstruction」に関する共同研究を始めると発表した。

» 2018年04月05日 15時00分 公開
[MONOist]

 キヤノンメディカルシステムズは2018年3月20日、熊本大学とフランスのボルドー大学と共同で、ディープラーニング(深層学習)をMRI撮像に適応したノイズ除去再構成技術「Deep Learning Reconstruction(DLR)」に関する共同研究を始めると発表した。同月5日には、共同研究を行う施設があるボルドー大学のInstitute of Bioimagingで開所式が行われた。

 DLRは、ディープラーニングを用いて、ノイズの多い画像からノイズを除去する技術だ。ノイズの多い画像と少ない画像との関係性をコンピュータで解析し、モデル化させることで、新たに得られた画像のノイズを除去できる。画像を高分解能で撮像できるだけでなく、従来の検査では困難だった超高分解能撮像を短時間で行える。これによる超高分解能撮像の臨床検査への適応とその有用性に注目が集まっている。

 また、一般的な平滑化フィルターに比べてノイズ除去に伴う画像の劣化が極めて小さく、実質の信号自体の変動が少ない。この特性から、画質改善効果だけでなく、ノイズの影響を受けやすい定量解析の安定性を向上できる可能性もある。

 また、2017年11月にボルドー大学で導入した同社の最先端3テスラMRIシステムで得られる超高分解能画像は、DLRと組み合わせることで7Tに近い画像を描出でき、これまでの高磁場MRI研究を一部代替できる可能性があるとしている。

 同社は、最新のAI(人工知能)技術と次世代MRI装置を融合させることで、ノイズ除去や画質改善効果だけでなく、MRIの新たな領域への活用が図れると考えている。

photo ボルドー大学のInstitute of Bioimaging 出典:キヤノンメディカルシステムズ

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