機械学習/物体検出処理に特化した専用プロセッサ、Armが発表 : 人工知能ニュース
Armは、機械学習やニューラルネットワーク向けのArmプロセッサIPのスイート「Project Trillium」を発表した。第1弾として、機械学習や物体検出処理に特化し、高速処理できる「Arm MLプロセッサ」「Arm ODプロセッサ」を提供する。
「Project Trillium」のイメージ 出典:Arm
Armは2018年2月13日(現地時間)、機械学習およびニューラルネットワーク向けのArmプロセッサIP(半導体設計資産)のスイート「Project Trillium」を発表した。第1弾はモバイルプロセッサ向けに特化。機械学習(ML)や物体検出(OD)処理に特化し、高速処理できる「Arm MLプロセッサ」「Arm ODプロセッサ」を提供する。
Arm MLプロセッサは、Arm MLアーキテクチャをベースとしており、機械学習アプリケーションでのパフォーマンスと効率性を高めるように設計。モバイルコンピューティングにおいて、毎秒4.6兆回以上での演算(4.6TOPs)が可能だ。高度なデータマネジメントにより、複雑な環境下で使用した際により高い性能を発揮する。また、毎秒1W当たり3兆回以上の演算(3TOPs/W)の電力効率性を持つ。
Arm ODプロセッサは、人物やその他の物体を効率的に検知する処理に特化して設計。1フレームあたりほぼ無制限の数の物体を検出できる。60fpsのフルHD映像に対応したリアルタイム検知ができ、従来のDSPの最大80倍のパフォーマンスを実現する。
これら2つのプロセッサを組み合わせることで、高い性能と電力効率を持つ人物検出、認識ソリューションが可能になる。
IoTを取り巻くエコシステムの選択肢をより豊かにしていく――Arm
IoTデバイスの中核となるプロセッサで最も大きな存在感を持つArmだが、2014年ごろからIoT関連サービス事業への注力を続けている。英国本社でマーケティングアンドセールス担当バイスプレジデントを務めるマイケル・ホーン氏に、ArmがなぜIoT関連のサービス事業に注力しているのか聞いた。
Arm「mbed OS」は立ち位置を変えながら進化する
2014年に開発中であることがアナウンスされたArmの「mbed OS」。その後、紆余曲折を経て、mbed OSの立ち位置と取り巻く環境が変わり、mbed OSそのものも大きく変わった。そこで、アップデートとして現状の「mbed OS」と、「mbed Cloud」などそれをとりまく環境を紹介する。
Armのベストプラクティスを集積、「PSA」はIoTセキュリティの共通基盤となるか
アーム(Arm)は、ユーザーイベント「Arm Tech Symposia 2017 Japan」に合わせて、IoTデバイス向けのセキュリティアーキテクチャ「Platform Security Architecture(PSA)」について説明した。
ルネサスの組み込みAIの性能は10倍×10倍×10倍で1000倍へ「推論に加え学習も」
ルネサス エレクトロニクスは、汎用事業の成長ドライバーに位置付ける組み込みAI(人工知能)技術「e-AI」をさらに強化する。現在のMCU/MPUを用いた組み込みAIによる推論モデルの処理性能を、2018年夏に10倍、2019年末にさらに10倍、2021年にさらに10倍にして1000倍を目指すという。
三菱電機の「コンパクトな人工知能」、FPGAへの実装も可能に
三菱電機は小規模なFPGAにも実装できる「コンパクトなハードウェアAI」を発表。深層学習などによって得た推論アルゴリズムについて、従来と比べて処理速度を10倍、もしくはFPGAの回路規模を10分の1にすることができるという。
組み込みAIの性能密度が2倍以上に、「PowerVR」の新プロダクトライン
イマジネーションテクノロジーズは、学習済みニューラルネットワーク(NN)の推論実行処理に特化したハードウェアIP「PowerVR 2NX NNA」を発表した。性能密度(回路面積当たりの処理性能)は、競合他社のDSPと専用ハードウェアIPを組み合わせたソリューションと比べて2倍、NNの処理に最適化したDSPと比べて8倍に達する。
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