キヤノンITSは、SOLIDWORKS向け設計支援ツール「SOLiShie Ver.8」を提供開始する。国内のSOLIDWORKSユーザーのヒアリングに基づき開発した、「スケッチ基準線作成」「二等分線の作成」「設計テーブルクリエイター」など63種類あるツールを1つから購入できる。今回はユーザー要望が多かったライセンスログ分析機能を強化した。
キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は2018年2月28日、3D CADのSOLIDWORKS向け設計支援ツール「SOLiShie(ソリシエ) Ver.8」を提供開始する。同製品は、SOLIDWORKSにアドインして利用する、作業・管理支援ツール。「スケッチ基準線作成」「二等分線の作成」「設計テーブルクリエイター」など細やかな支援機能を提供する。機能のカテゴリーは「モデリング」「図面」「ユーティリティ」「データ管理」「コンテンツ作成&解析」「PDM」がある。国内のSOLIDWORKSユーザーの要望に基づいて機能を開発している。バージョンアップは年1回実施している。
今回は前バージョンの全61種類に、2つの新機能が追加となった(後述)。61種類の機能については、過去記事「キヤノンITS、SOLIDWORKSの“かゆいところ”に手が届くツール61種を販売」に詳細がある。
各機能は個別で購入でき、価格は1機能当たり9800円。同社のWebサイトでモジュールやインストールガイドをダウンロードした後、ライセンスをVectorの「PCプロサイト」ショップから購入する。有効期限は5年間(ただし「SNLライセンスログ分析」のみ1年間)。同社でSOLIDWORKSを保守契約するユーザーについては無償で全機能を提供する。
対象バージョンはSOLIDWORKSとSOLIDWORKS PDM Professional共に、2016と2017、2018。利用するには別途、Microsoft Officeが必要で、対応バージョンは2010と2013、2016。
「プロパティ一括入力(No.55)」は、Excelファイルを利用して、SOLIDWORKS Enterprise PDMに登録されているSOLIDWORKSファイルに対してプロパティを一括で入力する機能だが、さらに「全コンフィギュレーションを対象」と「ユーザー定義プロパティも含む」オプションを追加した。
従来、同一ファイルの全コンフィギュレーションを対象にプロパティ一括入力したい場合は、Excelの定義に、全てのコンフィギュレーション名を各行で入力しなければならなかった。新バージョンでは「全コンフィギュレーションを対象」オプションにチェックを入れるだけで、Excelで指定したファイルに、全コンフィギュレーションを対象にしたプロパティ一括入力が可能になる。併せて「ユーザー定義プロパティも含む」にもチェックを入れれば、ユーザー定義プロパティも入力対象に含まれる。
ユーザーから好評で、拡張要望も多かった「SNLライセンスログ分析(No.40)」については、対象製品を従来の6種類から28種類に増やした。SOLIDWORKS License ManagerのログファイルからSOLIDWORKSの使用状況を確認する機能だ。ライセンスの使用状況のピークや最大本数が把握でき、ライセンス数の最適化や費用の節約などにつなげられる。「SOLIDWORKSファミリー製品の種類が、ここのところでどんどん増えてきている状況からも、今後も需要が増えそうな機能。順次対応していきたい」(キヤノンITS 田熊千恵氏)。
新機能としては「FlexNetライセンスログ分析」を追加した。SOLIDWORKS以外のCADやCAEなどのソフトウェアで、かつFlexNetをベースにしたライセンス管理をしているログファイルから各種ライセンスの使用状況を確認できる。
「定型文入力」も新たに追加した。定型文をユーザーがあらかじめ設定でき、かつ自由に編集ができる。SOLIDWORKSの図面ドキュメントの任意の位置に入力可能だ。既存注記にも定型文が挿入できる。
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