SOLIDWORKS 2018で2軸加工パスが直接生成可能に、3D一気通貫プロセスを支援CADニュース(1/2 ページ)

ソリッドワークス・ジャパンは3D設計システム「SOLIDWORKS 2018」の機能の詳細を明かした。新システムの「SOLIDWORKS CAM」は、SOLIDWORKSからNCデータを直接生成できる。1度データ生成しておくと、その後、形状に変更が加えられても自動認識して加工パスを生成する。

» 2017年10月30日 13時00分 公開
[小林由美MONOist]

 ソリッドワークス・ジャパンは3D設計システム「SOLIDWORKS 2018」の製品の詳細を明かした。今回は423件のプロジェクトと276件の機能強化を実施。新ツールとして、SOLIDWORKSから直接、2軸加工用のNCデータを自動生成する「SOLIDWORKS CAM」を追加。設計から製造までのプロセスを一気貫通させ、それぞれの連携を強化し、設計部門以外を含むプロセス全体におけるコラボレーションを支援していく。

ソリッドワークス・ジャパン 執行役員 山崎究氏

 「SOLIDWORKS 2014では図面レス設計システム『SOLIDWORKS MBD』、同2015では初回品検査・プロセス管理・文書作成システム『SOLIDWORKS Inspection』を追加。今回、新たにCAMを追加したことで、設計から製造まで一貫して提供可能なシステムの、1つのスタート地点に立ったといえる」(ソリッドワークス・ジャパン 執行役員 山崎究氏)。

 基本版である「SOLIDWORKS CAM Standard」のライセンス価格が40万円、年間のサブスクリプションが8万4000円で、部品加工と2軸ミル加工、形状自動認識、ナレッジの蓄積機能などを備える。上位版である「SOLIDWORKS CAM Professional」のライセンス価格は96万円で、年間のサブスクリプションが19万2000円。Standard版の機能に加え、アセンブリーでの加工設定、2軸旋盤加工、2+2軸ミル加工、高速加工などに対応する。SOLILDWORKSのサブスクリプション加入ユーザーについては「SOLIDWORKS CAM Standard」が無償利用可能だ。

 SOLIDWORKS CAMは「CAMWorks」の技術をベースとしたシステム。NCデータを1度生成しておくと、その後、形状に変更が加えられても自動認識して加工パスを生成する。登録したNCデータはナレッジとして蓄積・管理ができ、似たような形状を加工する場合の設定ステップ数を減らすことが可能だ。3Dデータに登録されたPMI(製造情報)が直接参照でき、3Dデータに指定された寸法公差を基に適切な製造用寸法に直して加工パスへ反映する。また指定された公差の厳しさに応じた加工法も提案してくれる。

SOLIDWORKS CAMの概要(出典:ソリッドワークス・ジャパン)

 SOLIDWORKS 2018では、PMIがインポート可能なデータフォーマットとして、「NX」「Creo」「STEP AP242」を新たに追加した。3DモデルそのものにPMIを付加できることで、設計検証やデータ管理、加工パス生成・製造、検査表作成・検査といったプロセスに展開可能。各部門で同一データを参照し修正できることで、無駄な時間を削減し、既存業務の両立が図れるとしている。PMIの付加機能は将来の3D単独図運用に向けた機能であると共に、今後もしばらく残り続けるだろう2D図面作成の負荷軽減も目的とする。SOLIDWORKS Inspectionは3Dデータの検査レポート生成に対応した。

 2D製図の細かい機能としては、寸法公差の小数点以下を丸める、小数点以下の0を表示する・しないといった表示ルールを楽に個別適用する機能や、BOM自動出力で利用される英字の注記を一括して大文字化する機能などを追加した。ドラッグアンドドロップで編集・修正する機能も強化している。

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