「モーター状態監視機器」はコンベヤーやリフター、ポンプなどの多くの生産設備で使用されている三相インダクションモーターの経年劣化によって発生する異常を振動、温度、電流、絶縁抵抗のそれぞれの状態変化で捉え、機器本体の表示やEthernet/IP通信によって遠隔で監視することで課題解決や復旧早期化などを実現するもの。設備の突発停止による機会損失の最小化を実現するとともに、熟練保全マンのスキルをデジタル化することで、遠隔地からでもモーター保全業務の均質化が図れるようにした。さらに定期点検作業から予防点検への移行が実現できるため、点検工数を大幅に削減可能としている。
「ネットワーク付パワーサプライ」は設備内の機器に直流電流を供給する「パワーサプライ」の基本機能に加え、電源供給の維持管理を行うために必要な、本体の交換時期や出力電圧電流、ピーク電流などの情報をEthernet/IP通信による遠隔監視と本体モニターによる可視化を行うもの。パワーサプライは製品寿命があるものの電流などは見えないために劣化を把握しにくいという状況があった。新製品ではパワーサプライの交換時間をあらかじめ通知することで電源トラブルによる設備の突発停止の発生を削減できる他、巡回保全の回数も削減可能である。
「熱式液体流量センサー」は溶接機や成形機に使われる冷却水の流量と温度を1つのセンサーで計測することが可能なセンサー。従来は冷却水の流量だけを監視していたが、併せて温度も監視することで、電流トランスの過熱による突発停止の予兆を把握し安定した溶接品質や成形不良防止につなげられる。
「液体圧力センサー」はマシニングセンターやプレス機による作動油の圧力と温度を同時に見える化するもの。パッキンの劣化や作動油漏れの予兆を把握する。また、作動油の粘性低下による温度変化を捉えることで安定したか高品質を実現可能とする。これらのセンサー群により「流量と温度」「圧力と温度」という複数データをセンシングすることで状態の見える化を低コスト、低工数、省スペースを実現する。
「スマート状態監視アンプ」は汎用のアナログ出力タイプのセンサーが接続可能なアンプユニット。オムロンでは既にファイバーセンサーやレーザーセンサーなどが接続可能なセンサーシリーズ「N-Smart」を展開しているが、新たに汎用アナログ出力に対応する「スマート状態監視アンプ」をラインアップに加えることで、設備の状態監視センサーを安価で簡単にネットワーク化することが可能となる。
また、従来は高価なデータロガーや計測器のシステムアップが必要だったアナログ出力タイプのセンサー群のデータ取得を、高速1msで30台まで同期して収拾が可能になる。設備の状態変化に応じて最適化した機械制御を可能としている。通信ユニットに接続することでEtherCATやCC-Linkなどのオープンネットワークにも対応可能としている。
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