MONOist ISGが注力している製品の中でもMbed Cloudは、プロセッサコアIPからかなり離れた“クラウド”であるためその位置付けが分かりやすいとはいえません。他のIoTプラットフォームと競合するものなのでしょうか。
内海氏 IoTプラットフォームとしてのMbed Cloudの役割は、より良いセキュリティの実現であり、IoTの枠組みにおけるフェイルセーフの機能を提供するものになる。数百億個ともいわれるIoTデバイスには、かなりの割合でArmのプロセッサコアが搭載されている。そして、それらのプロセッサコアに入っているセキュリティ機能の「TrustZone」と連携することでIoTデバイスのセキュリティにつなげられる。
例えば、Mbed Cloudのパートナーであるウフルの「enebular(エネブラー)」はIoTプラットフォームの1つと言っていいだろう(関連記事:「IoTの上流から下流まで全てをつなぐ」、ウフルの「enebular」が新展開)。エッジとクラウドの分散協調を特徴とするenebularにおいて、Mbed CloudはIoTデバイスのセキュアな管理を支援している。
IoTデバイスにArmのプロセッサコアが多く搭載されている以上、多くのIoTプラットフォームにとってもMbed Cloudは役立つはずだ。だからこそ、どこかの企業に肩入れすることなく“フェアー”にライセンスを提供していく。
MONOist Mbed Cloudのパートナーは現在何社まで増えていますか。
内海氏 日本では、ウフルの他に、東芝デジタルソリューションズ、GMOクラウドがパートナーになっている。海外ではアドバンテック(Advantec)、ゼブラ・テクノロジーズ(Zebra Technologies)など9社がパートナーになっており、今後も増えていく見込みだ。
日本法人のアームとしては、日本のパートナーと協力を深めて、日本発のIoTソリューションを発信できるようにしていきたい。最初に述べたように、日本の経済に貢献する活動を強い意志を持ってやれるようになっている。ウフルも、2017年内にenebularの海外展開を端緒に付けようとしているので、積極的に支援していく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.