車とバイクが大好きなモノづくりコンサルタントから見た「全日本学生フォーミュラ大会」とは。2017年も楽しくレポートします! さて第1回はどの大学が登場するでしょうか。
2017年9月5〜9日、静岡県袋井市・掛川市内の小笠総合運動公園(通称「エコパ」)で「第15回 全日本学生フォーミュラ大会」(以下、学生フォーミュラ)が開催されました。例年ですと「学生フォーミュラ」のルールなどの解説や、大会の華である「エンデュランス審査」の模様を紹介するのですが、そのあたりは全日本学生フォーミュラ公式サイトに詳しく記載されているので、2017年はピットレポートを中心に熱き学生たち思いを伝えることにします。久しぶりに、MONOist編集部の小林由美さんとの取材です(関連記事:学生フォーミュラ2017は京都工繊大が2連覇、4位には名大のEV)。
さて、ピットレポートのトップを飾るのは鳥取大学です。私が個人的にスポンサーをしているものですから、どうしても気になってしまうのです。リーダーの落合勇太さんにお話を伺います。
関(以下S) 2017年(以下、今年)は走れたよね!?(前回はシェイクダウンができず動的審査に未参加:「大学4年生になっても続けたい、学生フォーミュラでのクルマづくり」)。
落合さん(以下O) はい! ちゃんと走りました! ……でも、エンデュランス17周目で145%ルール(オートクロスイベントの一番速いラップタイムを基にエンデュランス一周当たりのタイムに補正し、その145%以内のラップタイムで走らなければならない)に抵触し、途中棄権となりました。
S あと4周かぁ……、惜しかったね。
O 他の動的審査でも冷や冷やした場面がありましたが、昨年に比べれば大きな飛躍です。大会2日目に車検が通ったのは我がチーム発足以来最速でした。
S 車検ではどこか指摘されたの?
O ファイアウォールの大きさが足りないとの指摘でしたので、拡張しました。(後日私に送られてきた報告書によると、拡張したファイアウォールのためにレギュレーターがオーバーヒートし、エンデュランス時のエンジン不調の原因となったそうです)。
S そうですか。もし今年動的審査に出られなかったらスポンサーを辞めようと思ってたんだよ(笑)
O よかった〜(笑)
S 今年大きく飛躍した要因は何だと思いますか?
O やはり経験を積んできたことかなと思っています。昨年も模擬車検を受けることができて、その時に審査員の方々からさまざまなアドバイスを受けました。今年の車検やデザイン審査、プレゼンテーション審査でも多くのアドバイスを受けたので、来年もそれを生かします。
S 具体的にどんなアドバイスを受けたのかな?
O 「空力ももう少し考慮しようよ」と言われました。
S う〜ん、確かにフロントカウルの仕上がりがねぇ……。落合さんは何年生?
O 2年です。うちのチームはほとんどが1年と2年なんですよ。
S そうなんだ! それは大変だね!
O でも今年は1年生が本当に頑張ってくれて、6月にはマシンが走れる状態になりました。昨年は走行テストもままならなかったのですが、今年はPDCAサイクルを何度か回すことができたと思っています。
S 2018年(以下、来年)への抱負を聞かせてください。
O 来年はヤマハ(ヤマハ発動機)製の450ccシングルエンジン(単気筒)に変更します。大きく変わるのでご期待ください。
S 確かにこのコースレイアウトではシングルの方が有利かもしれないけど、上位チームでも熱関始動性にてこずっているから、その対策をしっかりしないとね。仕方ない、2018年度もスポンサー続けるね、金額少ないけど(笑)
O ありがとうございます!
鳥取大学は昨年の66位から順位を8位上げました。総得点も100点UP、若手中心のチームが新エンジンのマシン作りにどう挑むのか、私も一スポンサーとしても見守りたいと思います。
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