学生フォーミュラのピットを周ってみると、各校の個性が見えてくる。マシンのコンセプトが異なるのはもちろん、苦労していることや抱えている課題もさまざまだ。取材に快く応えて生き生きと話してくれる、学生たちの笑顔がまぶしい。
前回のエンデュランス競技のレポート(サークル活動と甘く見るな! 学生フォーミュラは企業も顔負けのモノづくり対決)はいかがでしたでしょうか?
全日本学生フォーミュラ大会(以下、学生フォーミュラ)は2015年から動的審査エリアとピットの場所が離れて上位入賞校の取材がしにくくなり、マシンの詳細をお伝えできないのが心苦しいですが、90を超える参加チームのピットではさまざまな学生たちの姿が垣間見えます。限られた時間の中で9チームを取材しましたので、今回はそのうち5チームの様子を紹介します。
2015年のピットレポートの最後に紹介した鳥取大学が今回のトップバッターです。私はこの3年間、鳥取県のモノづくり企業の支援を行っていることから、このチームのスポンサーになっています。毎月、活動報告もいただいています。
プロジェクトリーダーの八尋洸也さんにお話を伺いました。
関 あれ?来てるじゃない!(スポンサーなので多少上から目線 笑)。先月の報告だと「電装系のトラブルによりシェイクダウンができなかったので不参加」ということだと思ったのだけど?
八尋さん はい、シェイクダウンができなかったので動的審査には出られません。でも静的審査には参加できるのでここにやって参りました。
関 そういうことか……。せっかくここまで作りこんだのに残念だったね。
八尋さん はい、正直悔しいです。
関 2015年からの進化点を教えてください。
八尋さん ラジエーターと吸排気系のレイアウトを変更して、吸気がエンジンの熱に影響されないようにしたのが一番大きなところです。あと、審査員にはあまり褒められなかったのですが、足回りを全面的に見直して、バネ下を軽量化しました。
関 今、メンバーは何人いるの? 女子は?
八尋さん 12人です。女子が1人、入ってくれました。
関 女子が入るとチームに元気が出るでしょ!
八尋さん う〜ん……。(関:どうやらそうでもないのかな?)あ、テールライトがスーパーカブではなくなりましたよ!
関 (車両後方に回って)あ、本当だ! カッコよくなってる! 排気系の取り回しもいい感じだよねぇ。
八尋さん ハイ、管長も十分に取りました。
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