続いてはピンクの車体、ユニフォームでかなり目立っている日本工業大学にお邪魔しました。チームリーダーの蓼(たで)沼美波さん(機械工学科4年)にお話をお伺いします。
MONOist 小林(以下K) どピンクですね!
蓼沼さん(以下T) チームカラーでマシンもユニフォームも統一しました。
S 背中の文字がいいよね! 「やった分しか返ってこない!」
T 昨年からFA(ファカルティアドバイザー:技術顧問の先生)の口癖をプリントするようにしたんです(ちなみに昨年は「同じやるなら先にやれ」でした。チームのブログで確認)。
S 昨年も好成績でしたが、今年はどうでしたか?
T はい、動的審査は全種目完走です。目標をそこに置いていて、これで4年連続達成です。
S 素晴らしいですね! 今年のマシンの特徴は?
T フロントサスペンションのレイアウトを大きく変えました。効果があったと判断しています。
S エンジンは?
T ホンダの「CB500F」です。
S 2気筒ですね。日本では売っていないモーターサイクルのエンジンだけど、このコースのレイアウトには向いてますよね。
T はい、4気筒と単気筒の間の特性でよいと思っています。
S 今年からエンジンの最大排気量が710ccに変わったのでヤマハの「MT-07」は相当パフォーマンスが高いと思いますよ(これを昨年から言い続けている私……)。チームメンバーは何人?
T 1年生から大学院2年まで25人体制ですが、メインは2、3年生。4年以上はアドバイザー的機能です。
S 女性リーダーは少ないですよね?
T チームメンバー、特にメカニックの方々には増えてきましたが、リーダーさんにはなかなかお会いしません。
S 静岡理工科大学が数年前に女性リーダーでした。
K 過去の取材で、何人か女性リーダーにお会いしたことがあります。
K 蓼沼さんはなぜ機械工学科を選んだんですか?
T 高校生の時に「機械って面白そうだな」って感じたんです。親には反対されましたが。
S 最近「リケジョ」とか言われて、理工科系の女子も増えてきたけど、まだまだ少数派だよね。
T はい、入学したのが、ちょうど「リケジョ(理系女子)」と騒がれ始めた頃でした。でも、このチームでも女子は私だけなんです。「変わり者」って言われます(笑)
K どんな会社に就職されるか分かりませんが、ぜひ蓼沼さんの特徴を生かして機械設計の仕事に就いて欲しいですね。女性ならではの細やかな視点で設計ができると思います。
S 長野県伊那市に藤崎淳子さんという女性がいてね、たった一人で設計事務所やっているの。MONOistでもCAD/CAMや金属材料などを分かりやすく解説するコラムを書かれているので、読んでみるといいですね。
K そうなんですね。すごい。
T ぜひ第二の藤崎さんになってください(笑)
女性リーダーの下、良くまとまったチームだと感じました。総合順位こそ昨年より若干下がり17位でしたが、目標である「全種目完走」を4年連続でクリアしたことは素晴らしいと思います。そういえば、蓼沼さんは昨年の私の取材時にもすてきな笑顔で集合写真に映ってくれていました。若者たちは1年の伸び代が大きいんだなぁ!
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