機械学習、5G、IoT、EV化、ムーアの法則の終焉、技術者が向き合うべき5つの課題:組み込み開発ニュース(2/2 ページ)
産業用IoTの活用が広がりを見せる中、モノを適切に管理することが可能となる。それにより、稼働率向上やパフォーマンス向上、新たなインサイト(洞察)の取得、エッジコントロール、設備の故障予測などの価値を得られる。しかし、一方で、システム数の急増や、更新の必要性、大量のデータ処理、などの課題が生まれる。
これに対し、「リモートシステム管理」や「ソフトウェアの構成管理」「データ管理」の3つの要素が重要になるとし、「プラットフォームとエコシステムで対応していくことが必要になる」とナショナルインスツルメンツは主張する。
新たなテスト技術(クリックで拡大)出典:日本ナショナルインスツルメンツ
世界各国の政府が相次いで内燃機関を排除する措置を発表するなど、自動車は急速に電動化への動きが加速している。しかし、自動車の電動化は、従来の「走る」「曲がる」「止まる」などのクルマの役割だけでなく、電力供給源としての役割も担うことになる。これらの「つながるクルマ化」が進む中でテストでも新たな手法が必要になり、HILなどのリアルタイムシミュレーションテストが注目を集めている。
新たなテスト技術(クリックで拡大)出典:日本ナショナルインスツルメンツ
IoTなどにより、データ量が大きく拡大し、ビッグアナログデータの蓄積が進む中、データをどう処理し、活用するのかが大きな課題となっている。機械学習などの人工知能(AI)関連技術の活用により、これらのデータを有効活用することが可能となる。ナショナルインスツルメンツでは、計測業界の機械学習の適用先として設備の予知保全やエンジニアリング検証、製造テストなどの領域を示し、さらに「機械学習の最初のステップとして計測領域が最適だ」と主張している。
新たなテスト技術(クリックで拡大)出典:日本ナショナルインスツルメンツ
日本ナショナルインスツルメンツ APAC担当マーケティングディレクタの池田亮太氏は「ナショナルインスツルメンツでは創業時から『エンジニアはどうやって高速で効率的に業務をこなすべきか』をテーマと位置付け、計測ソリューションを提供してきた。その中でいかにソフトウェアをベースとしたシステム作りができるかを重視し、ソフトウェアベースのテストシステムなどを用意してきた。製品のコネクテッド化が進み、複合化していく中で、より製品開発の複雑性が増している。その中ではオープン性がもたらすエコシステムが重要となる。そしてそれを実現するのがプラットフォームだ」と同社の強みについて語っている。
プラットフォームベースのアプローチ(クリックで拡大)出典:日本ナショナルインスツルメンツ
- 5Gの人口カバー率は2022年に15%へ、セルラーLPWAの普及も進む
「エリクソン・モビリティレポート」によれば、2022年には世界の5G加入契約数が5億件を突破し、人口カバー率は15%に達するという。また、同じく2022年には、広域IoTデバイスの70%が何らかのセルラー技術を利用していると予測している。
- HILSとは何か
最新の高級自動車は200個ものコンピュータを搭載しているといわれる。ECU(電子制御ユニット)と呼ばれるこのコンピュータが、正しく動作するかどうかを試験するテスト装置として注目を集めているのがHILSだ。本連載では、HILSの導入や、HILSを使ってECUのテストを行うための基本的な知識の提供を目指す。連載第1回は「HILSとは何か」だ。
- 芽吹くか「組み込みAI」
第3次ブームを迎えたAI(人工知能)。製造業にとっても重要な要素技術になっていくことは確実だ。2017年からは、このAIを製品にいかにして組み込むかが大きな課題になりそうだ。
- 深層学習や機械学習は“過度の期待のピーク期”、ARは“幻滅期”のどん底に
米国の調査会社Gartnerは、「先進技術におけるハイプサイクル2017年版」を発表した。調査結果によると深層学習や機械学習などが「過度の期待のピーク期」を迎えていることを明らかにした他、ARが「幻滅期」のどん底を迎えていることを指摘した。一方でVRについては「啓蒙活動期」の中盤に入っており、もうすぐ「安定期」を迎える兆しを見せているとした。
- IoT時代の組み込みシステム開発はどう変わる? 求められる新たな要素とは
「Embedded Technology 2016」「IoT Technology 2016」(2016年11月16〜18日/パシフィコ横浜)の特別講演として経済産業省 商務情報政策局 情報処理振興課 課長の滝澤豪氏が登壇。「組み込みシステム産業の課題と政策展開について」をテーマに、IoTや組み込みシステムなどIT産業に対する政府施策と今後の発展に向けての取り組みを紹介した。
- 半導体商社こそが国内産業界へのIoT普及を可能にする
今後の製造業の発展に向けて必要不可欠とみられているIoT(モノのインターネット)。本連載では、IoTの現在地を確認するとともに、産業別のIoT活用の方向性を提示していく。今回は、日本国内で動きが見えないIoTサービスの具体化について、半導体商社、エレクトロニクス商社が果たすであろう役割について紹介する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.