米国デルとEMCが統合して誕生したデル テクノロジーズは、豊富なポートフォリオを生かし、新たにIoTプラットフォーム「IQT」の展開を進める方針を示した。専門の組織を立ち上げ、3年間で10億ドルの投資をする。
米国DellとEMCが統合して生まれたDell Technologies(以下、デル テクノロジーズ)は2017年10月26日、都内のユーザーイベントに合わせてIoT戦略を発表。新たにIoT基盤「IQT」の展開を進めていくことなどを発表した。
製造業でもIoT活用が注目を集めているが、非常に幅広い技術が必要で、他社との協業が必須の状況となっている。デル テクノロジーズでは、統合により豊富なポートフォリオを持つ強みを生かし、改めてIoTプラットフォームを構築し、展開を進めていく方針だ。
Dell EMC サービスおよびIT担当プレジデントのハワード・エライアス(Howard Elias)氏は「IoTは簡単なように見えるが非常に難しい。エッジからクラウドまでさまざまな技術が関連している。その中でデル テクノロジーズでは、組み込み領域からゲートウェイ、オンプレミスのデータベース、データセンターやクラウドなどまで、幅広いポートフォリオを抱えており、これは業界でもあまりない広さだ。この強さを生かしてプラットフォームを展開していく」と強みを述べる。
新たにデル テクノロジーズではIoT事業部を設立し、VMwareのEVP兼CTO(最高技術責任者)のレイ・オファレル(Ray O'Farrell)氏が、デル テクノロジーズグループを横断する形で統括する。さらに今後3年間に、IoT製品やソリューション、ラボ、パートナープログラム、エコシステム構築などに10億ドルの投資を行うという。
IoTプラットフォームの展開は、多くのITベンダーや機器ベンダーが取り組んでおり、デル テクノロジーズの取り組みは遅れたようにも見えるが、エライアス氏は「遅れているとは全く思っていない。IoTはまだ開発の初期段階で、現状ではまだインターネットの黎明期のようなものだ。今後20年くらいかけて変化していく中での、入り口に立ったところだ。個々のプラットフォームでフォーカスするところは違うが、デル テクノロジーズではもっと長期的に見ており、今後リーダーになるように取り組みを進めていく」と述べている。
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