日産自動車は、日産車体の拠点を含む国内6工場で出荷と車両の登録を中止した。完成検査が国土交通省に届け出た通りに実施されていなかったことを受けて、同年9月29日に在庫の販売を一時停止した直後だったが、無資格作業員による完成検査が行われていた。
日産自動車は2017年10月19日、日産車体の拠点を含む国内6工場で出荷と車両の登録を同日付で中止したと発表した。日産自動車では、完成検査が国土交通省に届け出た通りに実施されていなかったことを受けて、同年9月29日に在庫の販売を一時停止した直後だった。
同社は同年9月18日の立ち入り検査後に再発防止策を講じたと発表していたが、その後も日産自動車の追浜工場、栃木工場、日産自動車九州で完成検査員ではない作業員が完成検査の一部を行っていた。この事実は第三者を中心とする調査チームと社内調査によって判明した。また、日産車体の湘南工場でも、不正発覚後の完成検査工程における不適切な取り扱いが明らかになっていた。
車両登録の再開は国土交通省と協議して決定する。生産再開に向けては、台数の多い追浜工場から準備を進めて監査を受け、2週間程度で6工場で稼働できる体制が整うと見込んでいる。「急ぐことは考えていない。予定通りに工場を動かすよりも、間違いなく正しく運営されていることを確かめていく」(日産自動車 社長の西川廣人氏)。
今回、商品性検査やオフライン検査といった本来とは違う工程で一部の完成検査を実施していたことが判明した。完成検査員の資格を持つ作業員も商品性検査などの工程に立っていたが、資格を持たない作業員も完成検査に従事していた。
今後は、完成検査ラインの編成を国土交通省に届け出た状態に戻す。また、完成検査ラインを集約し、完成検査員以外が立ち入れないようにする対策を検討して、実施する。
これにより、同年9月20日〜10月18日に製造した約3万4000台を対象に日産販売店での再点検やリコールの届け出を検討する。現在の見通しでは在庫車が3万台、登録済み車両が4000台だという。
三菱自動車では、完成検査員のみがチェックを完了できるよう指紋認証機能を持ったタブレット端末を導入する。「既に、岡崎工場とタイでは、ハンコではなくデジタルチェックを行っている。魔がさして不正につながったり、油断や慢心を防ぐための投資は必要」(三菱自動車 CEOの益子修氏)。
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