アイスランドのアナタ(Annata)は、日本支社を開設するとともに、自動車や産業機械の国内大手企業への浸透を広げていく方針を打ち出した。既にこれら国内大手企業の海外法人はAnnataのビジネスソリューションを採用しており、この実績と日本支社の活動をてこに国内や他の海外法人への導入を広げたい考えだ。
アイスランドのアナタ(Annata)は2017年10月2日、東京都内で会見を開き、日本支社を開設するとともに、自動車や産業機械の国内大手企業への浸透を広げていく方針を打ち出した。既にこれら国内大手企業の海外法人はAnnataのビジネスソリューションを採用しており、この実績と日本支社の活動をてこに国内や他の海外法人への導入を広げたい考えだ。
アナタは、自動車と産業機械に特化したビジネスソリューション「Annata 365 for Dynamics(以下、Annata 365)」を開発、販売するアイスランドの企業だ。Annata 365 for Dynamicsは、自動車や建設機械、農業機械、工場設備など1台当たりの価値が高い“デバイス”について、生産以降となる、マーケティング、販売、出荷、小売、アフターサービス、パーツ交換、フリート管理/中古販売、そして廃棄までのプロセスを統合的に管理するソフトウェアソリューションだ。
また、Annata 365は、マイクロソフト(Microsoft)のERP「Microsoft Dynamics 365 Enterprise(以下、Dynamics 365)」上で提供される。Dynamics 365はクラウドベースのERPだが、Annata 365はオンプレミスでも利用可能なオプションを用意している。
アナタ 社長兼EMEAディレクターのヨハン・ジョンソン(Johann Jonsson)氏は「2001年の創業時から、Dynamics(当時はAxapta)と連携する形で事業を広げてきた。販売パートナーの社数は、2010年ごろは30〜40社だったが、現在は50〜60社に拡大している。顧客数も150ブランド以上、ユーザー数も7万人以上に達した」と語る。
Annata 365の最大の特徴は、1台当たりの価格が高く製品寿命も長い、自動車と産業機械の分野に特化していることだ。例えば、建設機械や林業機械などは100年以上の利用期間を想定していることもあり、人間よりも製品寿命が長い。価格も高いが、その長い製品寿命によってさらに大きな価値を生み出す。
Annata 365は、これら価値の高い製品の1台1台を「デバイス」と捉えて管理し、そのデバイスが製造企業から販売会社、販売会社からサービスサポート会社、サービスサポート会社からフリート管理会社などに管理主体が移ったとしても、デバイスの状態をトラッキングして廃棄に至るライフサイクルの最後までをカバーできる。アナタ APACディレクターのビルゲル・ラグナーソン(Birgir Ragnarrson)氏は「一般的なERPは、企業単位での管理が基本で、メーカーから販社に管轄が移るとその情報を追えなくなることが多い。Annata 365は、自動車と産業機械の分野で価値の高いデバイスに主眼を置き、“ゆりかごから墓場まで”カバーする点が競合のERPと異なる」と説明する。
また、Dynamics 365がベースになっていることも特徴の1つだ。既存のERPや自社管理システムからAnnata 365へ移行する場合には、クラウドを用いるDynamics 365がベースとなることで素早い対応が可能になる。また、マイクロソフトのソリューションであるDynamics 365であれば、「Excel」や「Access」で構築することが多い自社システムの統合も容易に行える。もちろん、Annata 365にはないERPやCRMの機能は、Dynamics 365が提供できることもポイントだ。
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