藤岡氏は、IoT(モノのインターネット)への活用が見込まれるLPWA(低消費電力広域通信)ネットワークの動向についても説明した。
モバイル通信網を用いるセルラーLPWAであるCat-M1、NB-IoTが、2017年以降着実に広がることで「広域IoT」の市場が拡大すると予測している。2016年の4億デバイスから年率30%で成長し、2022年には21億デバイスに達するという。藤岡氏は「2022年には、SigfoxやLoRaを含めて、広域IoTデバイスの70%が何らかのセルラー技術を利用しているだろう」と説明する。
その上で、セルラーLPWAが都市部における通信カバレッジをしっかりと確保できることを強調した。モバイル通信網の場合、屋内や地下では伝搬損失によって通信を確保できなくなるという問題がある。Cat-M1とNB-IoTは、そのための通信カバレッジ拡張が施されており、通常のLTEでは難しいような屋内の奥まった場所でも安定的な通信が可能になるという。

都市部では屋内や地下でモバイル通信網の伝搬損失が起こる(左)。通信カバレッジ拡張が施されているCat-M1とNB-IoTであれば、安定的な通信が可能になる(クリックで拡大) 出典:エリクソン・ジャパンこの他、商用車メーカーのスカニア(Scania)と共同で実施した、5Gの検証用ネットワーク(LTEをベースに5Gの技術を一部導入)を用いたバスの遠隔操作の実証実験についても紹介した。
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