リコーが“唯一無二”の複合機を開発、PFUのスキャナー技術を融合イノベーションのレシピ(1/2 ページ)

リコーが新開発のA3カラー複合機「RICOH IM C6010SD」「RICOH IM C4510SD」「RICOH IM C3010SD」について説明。PFUの業務用スキャナー、リコーのA3カラー複合機というそれぞれ世界シェアトップの製品の技術を組み合わせたことを最大の特徴とする。

» 2025年02月04日 07時30分 公開
[朴尚洙MONOist]

 リコーは2025年2月3日、東京都内で会見を開き、同月14日発売する新開発のA3カラー複合機「RICOH IM C6010SD」「RICOH IM C4510SD」「RICOH IM C3010SD」(以下、SDシリーズ)について説明した。PFUの業務用スキャナー、リコーのA3カラー複合機というそれぞれ世界シェアトップの製品の技術を組み合わせたことを最大の特徴とする。価格(税別)は、連続プリント速度が1分当たり30枚のRICOH IM C3010SDで213万円、同45枚のRICOH IM C4510SDで266万円、同60枚のRICOH IM C6010SDで310万円。

会見の登壇者と「RICOH IM C3010SD」 会見の登壇者と「RICOH IM C3010SD」。左から、PFUの本川浩永氏、エトリアの佐藤訓之氏、リコージャパンの三浦克久氏[クリックで拡大]

 SDシリーズは、PFUの業務用スキャナーの用紙搬送技術を、2023年2月に発売した「RICOH IM C6010」製品群のADF(自動原稿送り装置)に組み合わせたモデルだ。RICOH IM C6010製品群が持つアプリケーション連携や強化された折り/とじ機能、最新のセキュリティ対応といった特徴と、優れた環境性能はそのままに、スキャナー機能を大幅に向上し、アナログ情報のデジタル化とデータ活用をいっそうスムーズに行うことができるモデルとなった。アナログとデジタルをシームレスにつなぎデータ活用やAI活用を促進することから、「SD(Seamless Digitalization)」を新たにモデル名称に冠している。

 リコージャパン デジタルサービス企画本部 オフィスプリンティング事業センター センター長の三浦克久氏は「業務用スキャナーで世界シェアトップのPFUと、A3カラー複合機で世界シェアトップのリコーの技術を融合し、ドキュメントの電子化で従来よりも高い性能を発揮する。DXを加速するゲームチェンジャーになり得る製品だ」と語る。

SDシリーズ SDシリーズは、業務用スキャナーで世界シェアトップのPFUと、A3カラー複合機で世界シェアトップのリコーの技術を融合[クリックで拡大] 出所:リコージャパン

 SDシリーズが主な顧客に想定しているのは中堅中小企業である。中堅中小企業では、人手不足が課題であり、その人手不足に対応するためDX(デジタルトランスフォーメーション)による生産性向上が求められている。さらに、DXを推進するにはセキュリティの確保も必要だ。その一方で、大手企業と比べて中堅中小企業のDXへの取り組みは遅れているという現状がある。

中堅中小企業の課題 中堅中小企業の課題[クリックで拡大] 出所:リコージャパン

 企業がDXを進める上で鍵になる作業がドキュメントの電子化だ。コロナ禍を経て複合機におけるスキャン利用枚数は増加し続けており、全業種の平均ではADFを用いた自動スキャンが82%と主流となっている。ただし、領収書やレシート、各種帳票、複写紙、カード類などの特殊原稿は、原稿ガラスを用いて1枚ずつ読み取りをしており、これが電子化作業の障壁となっていた。「中堅中小企業を含めて国内のDXを進めることはリコージャパンの責務だ。今回の新製品は、電子帳簿保存法への対応を含めて特殊原稿の自動読み取りを容易にし、AI(人工知能)技術を組み合わせることで業務の効率化も大幅に進められる。成熟している複合機市場だが、置き換え以外の新規需要による上乗せも期待できる製品だ」(三浦氏)という。

複合機による電子化の動向 複合機による電子化の動向[クリックで拡大] 出所:リコージャパン
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