製造業IoTの本命は5Gなのか、それともLPWA含む非免許通信かMONOist IoT Forum 大阪(後編)(1/2 ページ)

MONOistを含むITmediaの産業向け5メディアは、セミナー「MONOist IoT Forum大阪 IoTがもたらす製造業の革新 〜進化する製品、サービス、工場のかたち〜」を開催。後編では、ノキアソリューションズ&ネットワークス テクノロジー・ビジネス・ディベロップメント シニアマネージャー小島浩氏の特別講演と、その他の講演についてお伝えする。

» 2017年02月03日 11時00分 公開
[三島一孝MONOist]

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 MONOist、EE Times Japan、EDN Japan、スマートジャパン、TechFactoryの産業向け5メディアは2017年1月25日、大阪市でセミナー「MONOist IoT Forum大阪 IoTがもたらす製造業の革新 〜進化する製品、サービス、工場のかたち〜」を開催した。

 ヤンマー 執行役員 経営企画ユニット ビジネスシステム部 部長の矢島孝應氏および、オムロン インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー 商品事業本部 企画室 拡業推進部長 本条智仁氏の講演内容について前編でお伝えしたが、本稿ではノキアソリューションズ&ネットワークス テクノロジー・ビジネス・ディベロップメント シニアマネージャー小島浩氏の特別講演と、その他の6つの講演内容についてお伝えする。

※)関連特集:総力特集「IoTがもたらす製造業の革新」

IoTのカギを握る新たな通信「5G」

 主催者特別講演として登壇した、ノキアソリューションズ&ネットワークス(以下、ノキア)テクノロジー・ビジネス・ディベロップメント シニアマネージャー小島浩氏は「次世代無線通信技術『5G』で、製造業IoTはどう変わるのか」をテーマに、IoT(モノのインターネット)で必須となる通信の最新技術動向について紹介した。

photo ノキアソリューションズ&ネットワークス テクノロジー・ビジネス・ディベロップメント シニアマネージャー小島浩氏

 IoTは常に通信でつながることを前提としているため、製造業IoTの実現に通信技術の進化は欠かせない。過去の通信技術の進化について小島氏は「無線通信技術は、2Gが音声中心で、3Gが音声+データの時代、4Gになりスマートフォンなどで示されるようにアプリケーションをネットワーク経由でどう使うかという世界となった」と述べている。

 免許型のキャリア通信の新規格とされている「5G」だが、特徴として、4GであるLTEの100倍を超える「高速通信」、LTEの1000倍ものユーザーを収容できる「大容量化」、無線区間の「低遅延化」、多数の端末との「同時接続」、そして「低コスト」「低消費電力」などがあるとされている。1Gbpsの大容量通信を実現するとともに1ms以下の低遅延などが利点とし、2020年の商用化を目指して規格の整備や開発などが進められているところだ※)

※)関連記事:5Gが達成を求められている、技術上のマイルストーン

 IoTで求められる通信技術は、場合によっては大容量が必要な場合もあるが、特に5Gが注目されている点といえば、「低遅延」だろう。小島氏は「5Gで特に期待されている領域が、クリティカルマシンコミュニケーションである。従来の通信では遅延が発生するために、リアルタイム性が求められるミッションクリティカルな領域では使用が難しかった。5Gも完璧ではないが、低遅延が実現できるため、こうしたミッションクリティカル領域でもある程度は使えるようになる」と述べている。

LPWANなど非免許通信が5Gを補う

 ただ、IoTによる通信ニーズを5Gが全てカバーできるわけではない。小島氏は「高品質なキャリア通信においては、IoTにおける5Gの果たす役割は大きいといえる。しかし、IoTはさまざまな環境で使われるため、免許不要で低価格な通信などについても注目されている」と述べる。

 5Gは免許が必要なキャリア通信だが、そのためデバイスや通信費用などが高価になる可能性がある。IoTはさまざまな領域での活用が想定されており、低品質だが低価格な通信が求められる領域も大きいとされている。こうした領域で注目されているのが、免許不要の帯域を活用した通信技術である※)。近距離では、BluetoothやZigBee、Wi-Fiなど、中距離ではLPWAネットワーク(Low Power Wide Area Network、LPWAN)といわれるLoRaWANやNB-IoT、SIGFOXなどが注目されている。

※)関連記事:いまさら聞けないSIGFOXネットワーク入門

 その中でノキアが特に推進しているのが、LTE通信の応用規格「MulteFire」である。MulteFireは非免許通信帯域である5GHz帯を使ってLTE通信を行える規格である。小島氏は「免許不要帯域の活用は手続きの負担やそれに伴うコストの負担などを低減できる利点がある一方で、セキュリティ面で弱さを持つ点や干渉の発生を管理できないという課題がある。しかし、MulteFireはLTE規格をWi-Fiなどの帯域で活用する技術で、免許不要である一方でキャリア品質が維持できる。Wi-Fiだと不安だけど、LTEまでコストをかけられないという場合の解決策として注目されている」と述べている。

 小島氏は「5Gに加え、これらの無免許通信帯域の技術が発展することで、クラウドとのシームレスな接続によるIT(情報技術)とOT(制御技術)の融合が実現可能となる。製造業にとっても、IoTを活用した生産効率の向上や信頼性の向上、新たなビジネスモデルの確立など、さまざまな効果が期待できるが、それにはこれらのネットワーク技術を組み合わせた最適な仕組み作りが必要になる」とネットワーク構築の意義について語っている。

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