Applied Intelligenceは「①導入前の課題抽出・評価(アセスメント)」「②分析プラットフォームの導入および導入過程におけるプロフェッショナル・サービス」「③導入後のシステム運用・保守・改善コンサルティングサービス」の3段階から構成される。一般的には、①と②を半年ほどの期間をかけて実施した後、その後③のシステム運用サービスは月次や年次のサブスクリプション契約になる。
GEヘルスケア・ジャパン ヘルスケア・デジタル事業本部 本部長の松葉香子氏は「これまでも、病院や院内の各部門は医療データから有意なものが得られると考えており、可視化のためにデータのまとめ作業を実施することはあった。しかし、データをまとめる作業で疲れきってしまい、分析する段階に入れないことが多かった。Applied Intelligenceを導入すれば、医療データの可視化や分析で疲れることなく、最適化に向けたPDCAサイクルを素早く回せるようになる」と強調する。
また、Applied Intelligenceは、GEヘルスケアが提供するRISやPACSだけでなく、他社の医療機器や医療ITシステムの医療データも扱えるという。「医用画像データはメーカー横断的な標準があるし、ベースになっているPredixは他社データを扱えるようにする成形化の機能を有しているので、当社製品のユーザーでなくても利用できる」(松葉氏)という。
会見では、2017年2月からApplied Intelligenceを先行導入しているベルランド総合病院(大阪府堺市)での実証実験の結果も披露した。CTの検査待ち時間の短縮や、病院経営の収益に大きく影響する入外比率(1日当たりの外来患者数と入院患者数の比率)の分析などに活用したという。松葉氏は「導入時のキーワードは『効率化』だったが、これはコスト削減ではなく、いかに効果のある仕事をやっていけるか、ということを意味している。医療を向上していく上で中心になるのは医師や看護師などの“人”だ。その“人”たちが、改善の熱意を持って積極的な取り組みを進めてもらえるように、Applied Intelligenceを提案していきたい」と述べている。
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