日本テキサス・インスツルメンツは、「C2000」マイコン製品で1μs以下の電流ループ性能を提供する、新型の「DesignDRIVE Fast Current Loopソフトウェア」を発表した。電流ループ制御に使われるFPGAを不要にし、設計の簡素化に貢献する。
日本テキサス・インスツルメンツは2017年6月28日、「C2000」マイコン製品で1μs以下の電流ループ性能を提供する、新型の「DesignDRIVE Fast Current Loopソフトウェア」を発表した。ドライブ制御システムの開発を簡素化するSoC(システム・オン・チップ)機能を提供する。1000個受注時の参考単価は11.32米ドル(約1300円)から。C2000 DesignDRIVEの開発キット「TMDXIDDK379D)の参考単価は999米ドル(約11万円)だ。
DesignDRIVE Fast Current Loopソフトウェアは、従来のマイコンをベースとした電流ループ・ソリューションよりも高性能を提供する。同時に、外付けの電流ループ制御に使われるFPGAを不要にし、設計の簡素化に貢献する。より高い制御性能を搭載し、基板実装面積の節約や放熱要件の緩和に役立つという。
複数のパルス幅変調のサブサイクル更新手法により、制御ループの帯域幅を向上。また、モーターのトルク応答を3倍にする可能性を持つ。C2000マイコンは、460ナノ秒でFOC(フィールド・オリエンテッド制御)処理を完了する。
複合コントローラーは従来の比例積分制御を置き換えると同時に、高速動作時により高い安定性を発揮する。Fast Current LoopソフトウェアをC2000マイコンに搭載した産業用ドライブ・システムはSoC機能を提供し、基板実装面積の縮小、簡略化、総合コストの削減に貢献する。
開発キットのTMDXIDDK379Dは、産業用モーター制御の設計向けのハードウェアを内蔵。2本のFast Current Loopを同時にサポートするほか、DesignDRIVE Position Managerテクノロジーもサポートする。
Fast Current Loopソフトウェアは無償で、「C2000 controlSUITE」ソフトウェア向けの無料アップデートを供給。同社はさらに、「TMS320F2807x」と「TMS320F28004x」のC2000 Piccoloマイコン向けのFast Current Loopのサポートも計画している。
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