このあたりで大分グーグルはAWS IoTあるいはAzure IoTに近くなってきた訳だが、それでもまだAWS IoTとAmazon Alexaという組み合わせには一歩及ばないところがあった。
そこを埋めてきたのが音声認識アシスタント「Google Assistant」である。2017年のGoogle I/Oの基調講演では、22分30秒あたりからGoogle Assistantの大幅な強化について語られている。
強化の項目は数多くあるが、例えば日本語対応(図1)に関しては、ITmedia NEWSの佐藤由紀子氏の記事など参考になろうかと思う。今回グーグルは“AI(人工知能)ファースト”というメッセージを強く打ち出し、実際にさまざまなサービスをAIを使ってより強化している。このあたりは同じく佐藤由紀子氏のこちらの記事に詳しいが、Google Homeでより深い意味解釈や、より柔軟なサジェスチョンが可能になったのみならず、さまざまな画面(「ChromeCast」やテレビ、スマートフォン、タブレット端末、etc……)と連携して動作するようになった。
以前のGoogle Homeも、例えばテレビ連携は不可能ではなかったが、新しいGoogle Homeではこれを自然に実現する(図2)。少なくともこの一点に関しては、Amazon Alexaに先んじたことになる。実際、2017年の夏にはGoogle Homeが国内でも発売されるわけで、日本語を使っての自由な家電の操作、が現実のものになる可能性が高い。
もっとも、Google AssistantとWeaveもまた「別のもの」である。例えば、Rachioの「Smart Sprinkler Controller Generation 2」は、Wi-Fi経由でスマートフォンと接続し、最大16ゾーンに対して個別にスプリンクラーの制御を行えるというものだ(日本と違い、アメリカではスプリンクラーが割とポピュラーである)。
これ、アマゾンの商品名を見ていただくと分かる通り“Works with Amazon Alexa”ということで、Amazon Alexaからの音声入力も可能だが、ファームウェアのアップデートによりGoogle Assistantの対応も行われている。ところがこれはWeaveを使わずに実装しているのだ。
実の所、アプリケーションをGoogle Assistantに対応させるためには“Actions on Google”を利用して、自社のアプリケーションがどんな機能を持ち、どんな形でリクエストを受けるとどんなレスポンスを返すか、を登録する必要がある。これはちょうどAmazon Alexaの「Alexa Skill Set」と同じものである。逆に言えば、これを登録しないと今のところGoogle Assistantではサポートされないので、いくらGoogle Homeに命令を叫んでも「知らない」といわれて終わりである。
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